『病院スクランブル』 自信はどこから?
2019年3月8日 歯医者
歯医者に着いた。
奥歯が痛いと、言った。
レントゲンを撮った。
すぐに、抜くことが決定した。
あまりにひど過ぎて、歯科医であるN先生は、抜くと言い切った。麻酔も使うらしい。きちんと説明があり、抜かないと神経まで届いてしまうらしい。嫌な予想が的中した。「この歯は、免疫に異常があろうと抜かなければならない」N先生はきっぱりと、言いきった。
相変わらず、すごい説得力を発する先生だ。こちらは「わかりました」しか言えない。10トントラックのごときパワフルさのN先生だが、治療はいつも丁寧だ。こちらの体調も、飲んでいる薬もこまめにチェックしてくれる。N先生の迫力は、強引さではなく、仕事に対するプライドの強さだ。
自信があふれている人は、大きく二つに分かれる。自分へだけの自信がある人と、自分の行動や信念に自信がある人だ。自分にだけ自信がある人には、仕事は依頼したくない。なぜなら、実力を過信して失敗する確率が、スカイツリー並みに高いからだ。
自分の行動や信念に自信がある人は、意外と自分を疑っている。だから必死で準備をして、確認も怠らない。N先生はそんな素晴らしい先生だ。だからこそ、安心してお任せできる。
歯を抜くのは5秒で済んだ。涙がにじむほど痛かったが、すっきりした。奥歯の親知らずと虫歯のコンボはそうとう身体に悪かったらしい。顎がとても動かしやすい。
N先生は、今飲んでいる痛みどめロキソニンをしばらくやめて、ボルタレンを飲みなさいと言った。抜いた後が腫れたり、強く痛む可能性があるので効き目の強いボルタレンがいいそうだ。もちろん、うなずいた。
麻酔が完全に切れる、1時間半後までご飯は食べられない。今食べようとすると、ほっぺの内側を噛み切る可能性があるので、おとなしく我慢をする。
「明日、消毒に来てください」
「もし熱が出てしんどい時は、無理せず電話で様子を知らせてください」
こっちの体調を気づかってくれる。やっぱり、いい先生だ。N先生への感謝と尊敬を改めて感じながら、家に帰った。
行列ができる名医―ほんとうの「よい医者」とめぐり合うための処方箋
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