幸せはバカップルに学べ
2019年3月29日 会議室
あるセミナーに参加しようと、扉の前で待っている。開始15分前、階段を上る足音と二人分の楽しげな声が聞こえてきた。主催者の登場だ。男女のカップルで、男性は前から知っている。女性は名前しか知らない。それでも二人の仲が、くっついた餅どうしのように離れない関係なのはわかった。付き合いが始まったばかりの初々しさに、子犬を見た時のような微笑ましさを覚えた。セミナー中に「以前と比べものにならないくらい、明るいご様子ですね。幸せそうで何よりです」と祝福した。同じような発言が後に3人ほど続いたので、問題はなしである。
パートナーとの関係は、人それぞれである。他人がおかしいと感じても、2人にとっては最高の状態だ。例えば一方が、一方をバカにしている。「あなたって、本当にダメね」いつも口喧嘩ばかりしている。それが問題ないコミュニケーション、そんなパートナー関係の場合だってある。2人が幸せなら、他人が口出すことではない。むしろ祭りの開始日のように盛り上がっているカップルに口出しをしたら、口うるさい奴と恨まれる。その発言が、的を射た忠告であったとしても無視される。黙って生暖かい目で見守るのが吉だ。それでもし破局が訪れたとしても、2人にとって人生の得難い経験になる。周りがおせっかいをしたら、学ぶ機会を失ってしまう。
バカップルは、幸せの本質そのものである。幸せを感じることと、周囲の評価はイコールではない。身もふたもない言い方をすれば、幸せだから幸せなのだ。
幸せは、盲目なものである。
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