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『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【病院スクランブル】『アベンジャーズ エンドゲーム』は正しいを問いかけている

『アベンジャーズ エンドゲーム』は正しいを問いかけている

 

2019年4月27日 映画館

 

またハンカチが濡れた。映画『アベンジャーズ エンドゲーム』は涙腺を刺激する場所がひとつじゃなかった。これまでのヒーローが登場しているとか、おかげで必殺技が乱れ飛んで盛大な花火みたいだ。沸騰しかけた鍋の中みたいな心は、映画館を出ていく頃には冷めたお湯のように静まっていた。「この作品で監督が伝えたかったことはなにか?」を考えだすと興奮がサヨナラしてしまった。雷神様の愉快なシーンだけは、なかなか去っていかなかったが。

 

人口爆発、映画『アベンジャーズ エンドゲーム』で扱われたメインテーマはこれしかない。だが、問いかけはこれじゃない。問いかけられたのは「正しさがひとつじゃないことを認められますか?」だ。人口の半分を削った方法も正解のひとつ、これを事実と認められるかだ。

 

「残酷だ」

「人としておかしい」

「受け入れられない」

 

否定するのは簡単だ。

だがらこそ、監督は描いたのだと思った。

人口が半分になった地球の姿を、人々の暮らしを。

 

人口爆発が起こったのは、悪意からではない。「食べ物に困らない生活がしたい」「戦争で亡くなる人が減るように」「赤ちゃんが死ぬのが耐えられない」「病気を治したい」そんな願いの結果、飢餓も戦争も乳幼児死亡率も消えようとしている。人間の寿命も大幅に伸びた。代わりに環境破壊、資源不足、少子高齢化の問題が生まれた。

 

なにかを解決すれば、別の問題が現れる。これは真理のようなものだ。歴史を振り返れば、いつの時代も問題は違っても流れは同じだ。人口爆発の問題は、私達の世代が解決すべき問題なのだろう。

 

問題を解決するために必要なのは、多様な考えを認めることだ。どれほど自分の思考では受け入れられない意見でも、まず聴いて想像する。別に受け入れる必要も、実行する必要もない。「この意見はどんな思いから生まれたのか?」「この意見の土台となるデータや考えは何なのか?」相手の思考を読むことで、画期的なアイディアがポンッと浮かぶこともある。「人口の半分を消せばいい」なんて危ない思考なら、笑っている場合でも怒っている場合でもない。防ぐための対策や仲間がいないかを調べる策を、できるだけ早く考えなければならない。その手段の第一歩が情報収集、相手の話を聴くことだ。

 

ちょっと想像してみた。私達の世代が人口爆発を解決したとする。次はどんな問題が生まれるのだろう。AI・ロボットとの覇権争い? 宇宙に進出した人類と地球との意見対立? 管理社会で自由が制限された世界? 寿命の消失による危険への過剰反応?

 

SF小説やハリウッド映画、アニメで描かれた世界ばかりが浮かんでは消えた。災害や第三次世界大戦で人口が激減、石器時代に戻るよりも楽しそうな世界だ。大変さは今と変わりはしないだろうが。

 

物語という形で問いかける。映画『アベンジャーズ エンドゲーム』も考えさせられる映画のひとつだった。「感動と気づきをありがとうございます」と監督にお礼を言いたい。雷神様のコミカルな動きが、シリアスな話に息継ぎをくれた。その緩急の絶妙さにも敬意を評したい。

 

映画って、素晴らしいな。

今回も引きずり出してくれた

映画狂の友人よ、ありがとう。

 

毎度、毎度アポ無しなのは

勘弁してほしいが。

 

<<2019年4月28日に続く>>

 

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