顔を売りたければ、質問に頭をしぼれ
2019年5月8日 会議場
「なにか質問はありますか?」
きた。周りをさり気なく見回す。誰も手を上げてない。主催者の穏やかな表情の裏に、弱り顔が透けてみえた。いいタイミングだ。スッと手を挙げる。待ってましたとばかり、すぐに指名された。一呼吸してから、声を発した。
勉強会、セミナー、講演会、最近はどれも懇親会という名の二次会セットが多い。そのせいか主催内容に興味もないのに来る人もいる。そして周りの経歴を聞き、これはと感じた人に名刺を配る。または、全員に名刺を配る。残念ながら、効果は限りなく0に等しい。「人脈を増やしたい」という下心は見透かされている。スマホの連絡先に登録されることはない。
私も名刺を持っているが、あまり使わない。相手が出されたときだけ交換のように差し出す。名刺入れを普段は持ち歩いていないので、スケジュール帳や財布の中など手放さない持ち物に忍ばせている。そんな適当さなのに、連絡先はじわじわ増える。なぜか?
質問
相手の話を聴きながら、質問することに集中しているからだ。会話が弾めば向こうから、待つタイプならコチラから「連絡先の交換をしませんか?」と尋ねる。だいたい7:3の割合で聞かれることが多い。向こうからの要望の場合、登録されないことはまずない。SNS交換なら、その場で確定だ。最近は名刺交換より圧倒的に多い。
きっかけ作りにも質問は有効だ。主催者が質問コーナーで恐れるトップは『質問がまったくない』ことだ。率先して手を挙げる人はありがたい。だから勉強会などに参加するときは、出席前に質問を考えておく。注意点は3つある。自分も、主催者も、周りも喜ぶ質問をすることだ。自分が知りたくて、主催者が尋ねてほしい、Q&Aを聞いた人が感心する決着になる質問を考える。これがハマれば、エキストラからは抜け出せる。主催者に心から喜ばれれば、お誘いもかかる。数撃ちゃ当たると挨拶回りをするより、よっぽど効果的だ。
大事なのは『どうすれば、より良い影響を残せるか?』だ。エンディングが重要なのは映画の締めだけではない。自分が去った後に、あの人が参加して良かったと思われればいい。いい質問は、後味を良くするためのスパイスのようなものだ。美味しく出来上がれば、自分が歩き回る必要すらない。向こうから近寄ってきてくれる。失敗してメシマズになっても気にすることはない。勉強会に参加するチャンスは何度でもある。率先して質問する習慣を身につける。こちらの方が重要度は上だ。度胸もついて、一石二鳥である。
おいしい食事も
レジの対応がまずければ
数段ランクを下げて記憶される。
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