歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【病院スクランブル】見た目は中身を保証しない

見た目は中身を保証しない

 

2019年5月29日 店舗

 

最近の生命保険、損害保険の流れが知りたくて、事前にチェックした店舗に足を運んだ。それなのに、まさかの臨時休業である。気持ちを切り替えて、近くに似たような店舗がないかとスマホで検索した。15店舗もヒットした。多すぎである。迷った末に、見覚えがある道の近くの店舗を目指した。なぜなら、方向音痴だからだ。今の私に道に迷う体力はない。地図を見なくてもわかる場所じゃないと不安でどうしようもない。辺りをプレリードックのようにキョロキョロ見ながら歩く。

 

10分ほどで目的地に着いた。薄汚れたコンクリートに覆われた入り口に迎えられた。グーグルマップはこの建物の2階が目的地だと示している。心臓がバクッとした。引き返そうかと思ったが、ボロッとしているが危険な雰囲気はない。ダメ元だと中に入る。エレベーターが設置してあった。安心ポイントが2上がった。エレベーターから出ると、急に明るくなった。ガラス張りの店舗からキッズルームが見える。さらに安心ポイント5上がった。自動ドアが開くと、お姉さんが丁寧さと朗らかさを併せ持った笑顔で迎えてくれた。一気に力が抜けた。ここまで入り口と印象が違う店舗は珍しい。大人の隠れ家を見つけたような気分になった。

 

「第一印象が8割」

「玄関に住民の人格が出る」

「タイトルに力を入れろ」

 

最初に目に入るモノの影響は大きい。『第一印象は外れない』という教えが、さらに影響を強める。これは、なんの根拠もない。第一印象が外れにくいのは、余計な情報やフィルターが少ないからだ。見た目の印象に囚われすぎると、本質を見失う。

 

人間はありのままに物事をみれない。自分が得た知識や経験を元に判断をしている。ある意味、カードゲームの確率のようなものだ。「きちんとした服装をした人は真面目な人が多い」「読書好きは知識が豊富だ」「バトルゲーム好きは危険思考だ」すべて思い込みである。『どのパターンが出る可能性が高いか?』のゲームを繰り返しているだけなのに、自分の知っているパターンが正確だと勘違いしている。

 

ブランド物に身を包んだ借金まみれの人

スーツで白い歯が輝く詐欺師

ノーブランドな装いの億万長者

 

見た目はまったく当てにならない。第一印象はプロになれば、いくらでもごまかせる。TVの画面に映らない演技上手は世の中にいくらでもいる。囲碁の駆け引きと同じように、見破る力は場数で伸ばせるが絶対ではない。真実、相手の中身を見抜こうと思ったら一定の時間が必要だ。命の危機レベルの経験をすれば、ひと目で見抜く力も上がるがオススメはしない。身につけるまでのリスクが高すぎる。有用な能力ではあるが、投資効率が良かったかと聞かれれば心からノーと力強く答える。

 

見た目と中身、どちらも素晴らしい。そんな、わかりやすい人ばかりではない。こちらの反応を試すために、わざと変な格好をしてくる人もいる。よくあるのが店のスタッフさんに横柄な態度をとって、周囲の人に避けられるパターンだ。基本、自分が思うほど周りは自分を気にしていない。だが、普段の言動はよく見られている。知人が誰もいないからと、眉をしかめるような態度をとれば、後で困るのは自分である。見た目よりも大事なのは中身だ。そして中身は言動に現れる。短期間はごまかせても、年単位スキ無く演じ続けるのは難しい。絶対に出来ないと言いきれないのが、世の中の面白いところである。

 

スパイは、家族の前でも仮面を外さない。

 

<<2019年5月30日に続く>>

 

十一番目の戒律 (新潮文庫)

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