時代の流れの見分け方(コンビニ編)
2019年7月31日 コンビニ
支払いがあったのでコンビニに寄った。元コンビニ店員の習性で、つい品揃えと在庫をチェックしてしまう。この店はすぐ食べられるものや生活雑貨がメイン、雑誌などの書籍の売上はあまりない。メインのお客さんが中高年の男性で地元民だと分析できる。若い人や女性向けなら、もっと新商品のお菓子類や健康系の商品が多くないとおかしい。15分ほど歩いた駅前にある同系列のコンビニは、化粧品やアニメ系くじ引きグッズが多く洗剤などの商品は少なめだった。勤めたのが10年以上前でも、これぐらいはわかる。
時代の流れは専門の勉強をした人にしかわからない。こんな勘違いをしている人が多い。しかし、実際のところは逆だ。身近なところにこそ、時代の変化は現れている。
どれほど頭のいい人たちが計画しても、使い切れないほどの資産を持っている人たちが協力しても、時代の流れというのは思い通りにはならない。なぜなら、彼らは少数派だからだ。どれほど分析しても、自分と違う人たちのことを理解する事は難しい。時代の流れは言い換えれば多数派の行動の結果だ。ほとんどの人たちは高学歴でもなければ、大金をもっているわけでもない。理解できない人たちの行動を完全に予測することは不可能だ。証拠がほしいならば、10年前のニュースを調べてみればいい。予測が的中したニュースはほとんどない。
日本での時代の流れを分析する上で、コンビニはとても便利だ。ATMや公共料金の支払い、宅配などの購入以外のサービスが充実している。そんなコンビニという場所を利用しない人は極少数だ。しかも、昔に比べて値段も手頃になった。なにより、日本全国に支店がある。これほど、データを集めるのに最適な場所はない。
「セールが多い」
「新商品の単価が安め」
「お一人様用が増えた」
これは消費が冷え込んでおり、しばらく回復しないことがわかる。
「どの弁当にも野菜が含まれている」
「健康系の飲み物が増えた」
「甘めのお酒の種類が増えた」
こっちは遅くまで働く女性が増えたこと、加えて男性も健康に気をつける人たちが増えたことが推測できる。
コンビニ業界の情報収集能力は未だ高い。商品の種類と価格、サービスの変化を見比べれば現時点の世の中の方向性は読み取れる。店舗ごとの売れ筋の差は数を回れば違いが見えてくる。駅前と学校前、オフィス街の店舗は同じコンビニ系列でも品揃えが大きく異なる。逆に言えば、年齢別の傾向も品揃えの違いに注目すれば浮き上がってくる。時代の流れと聞くと、すごく難しい話のように感じる。だが、突き詰めれば多くの人たちの意思が世の中を動かしている。それだけのことだ。日々の生活でしっかり目を開けていれば、気づける範囲のものに過ぎない。
現場知らずは、物知らずだ。
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