歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】希望にも善し悪しがある

希望にも善し悪しがある

 

2019年8月12日 会議場

 

「とても難病持ちとは思えない」

 

どこかに出かけるたびに、よく言われる。大勢の人の前では笑顔が基本、そんな接客業の人格が出ているせいだろう。ココロの中では「しんどい」「たいくつ」「ご飯が美味しくない」でいっぱいでも、表に出る表情はにこやか~だ。郵便ポストよりも背が低い頃から育まれた笑顔の仮面は、今日も心の内を1滴も漏らさない。

 

「修羅場をくぐった人間は、暗くないとダメですか?」

 

思わずそんな皮肉を言いたくなるほど、世間の印象は大変な目にあった=性格が暗いだ。確かに絶望の味は一生涯、舌に残りそうなほど苦かった。だが、その味にずっと囚われていたら人生の甘さを感じる余裕が無くなる。けれども、叶うはずもない希望という名の甘さに飲まれるのも問題だ。最も大切なのは、どんな状況であっても良くなる芽を見極める能力だ。

 

「宝くじが当たればいいのに」

「健康な体だったらいいのに」

「時間がもっとあればいいのに」

 

『~のに』という言葉がつく叶う確率が1%もない希望を抱えているだけでは、絶対に現状は変わらない。たとえ宝くじで当選したとしても、数年もすれば元に戻る。むしろ元より悪くなる人が圧倒的に多い。世の中には叶わない方が良い希望もある。

 

だいたい『~のに』という言葉のニュアンスに、自分で努力して良くしようという意思が欠片もない。私がベッド生活から、自由に外で歩けるようになったのもリハビリをしたからだ。ただ寝転んで「歩けるようになればいいのに」なんて考えているだけだったら、今も外出すらできない身体だっただろう。

 

プラスになる希望というのは、必ず行動とセットだ。私は「京都でへし切長谷部の刀が見たい」と願ってリハビリを頑張ったら歩けるようになった。叶えたい望みが有り、そのために継続して行動する意思がある。この2つが揃わなければ、むしろ希望はマイナスに転じる。

 

確率が0%に限りなく近くても、希望がわずかでもあれば人間はすがりつく。なぜならば、人間の脳は現状を維持したがる仕組みになっている。エネルギーの節約を最優先に動いているので、変化という多量にエネルギーを使う行動は避ける。一言で言えば”なまけもの”だ。このままだと状況が悪化するとわかっていても、危機が間近に迫るまで行動を変えようとしない。行動を変えない言い訳に”希望”はとても有効だ。

 

希望は持ち方ひとつで善くも悪くもなる。希望がまったくない人生よりはあった方がいい。だが、すべての希望が自身を良い方向に導いてくれるわけではない。願いをかけると同時に「そのために自分は何が出来るか?」を考える癖を持ちたい。

 

海賊王になりたければ、海に飛び出せ。

 

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