データ消去は物理一択
2019年8月15日 自宅
今日はデスクトップパソコンのUSB端末の調子が悪い。詳しい人にヘルプミーと尋ねたら、教えてくれた。複数のUSB端末に機器をつないでいるため電力が足りない。そのせいで動作が不安定になっているらしい。解決法は簡単、利用度が低い電子機器のUSB線を抜けばいい。私は外付けハードディスクの線を抜いた。前は百ギガ単位で保存していたが、断捨離でデータを消去したので利用頻度が落ちていた。ただの電気の無駄づかいだったと反省した。
「このデータは誰にも見られたくない」
「データ消去前に死んでしまったら」
「悪夢でしかない」
パソコン持ちで恐れない人はほとんどいないだろう。平気なのは何を見られても気にしない豪の者か、「死んだら自分にはわからない。問題なし」と思える者ぐらいだろう。私にはとても無理だ。
ネット上のデータ、これは残念ながら消えない。掲載された先がたとえ無いとしても、ネット上のどこかにデータは存在している。私がはじめて書いた『スレイヤーズ』の二次創作も未だ消えていない。20年以上前の作品なので消せるものなら消したい。だが、消す方法など存在しない。できるのは、目を逸らすことだけだ。
うちのパソコン、これは安心してほしい。データは完全消去できる。ただし、物理的に破壊しない限り消えない。しかも復旧方法が多彩だ。『転生したらスライムだった件』の第一巻で、電流を流してハードディスクのデータを消す方法が示されていた。だが甘い、甘すぎる。バスタブに水をためてパソコンを水没させ、そこに電気を流したところで無駄だ。そんな程度では復旧ができてしまう。
完全消去はただひとつ、物理的にハードを壊すことだ。ハードディスクのふたをあけ、記録部分に穴をあける。そして、パイプマンなどの金属が溶ける液体に3日ほどつけ置きする。そうすれば、磁気の記録部分が溶けて読み取れなくなる。ここまでしなければ、電子機器の情報は消えない。燃やして溶けても成功するが、異臭がするのでおすすめはできない。
有名人でもない限り、ここまで考えなくても大丈夫かもしれない。伊達政宗公のように「読んだら燃やしてね」と書いたのに、大事に保存されて博物館に展示される。そんなことは一般人では起こらない。ほとんどの例では一時、近しい人の間で噂になるだけだろう。しかし、世の中には何事も例外がある。
ある不幸な話がある。新選組の近くにあった家で当時の文章が見つかった。貴重な文章だろう鑑定に出した。その結果は、先祖の新選組隊員への妄想日記だった。今で言う二次創作だ。タイミングの悪いことに、この出来事は『薄桜鬼』『刀剣乱舞』など新選組の名が数多く登場する作品が定着したあとだった。もちろん、またたく間にこの情報は拡散されニュースになった。もし自分だったらと思うと切腹したくなる。
一般人だからと油断はできない。ネット社会の負の側面のひとつ、それが個人情報が消去しきれないことだ。消すことはできないのに、拡散されれば止められない。自分がネットに書き込むときは、くれぐれも「これを投稿して大丈夫か?」と見直すよう心がけたい。
ネット上に匿名は存在しない。
痕跡を完全に消すことは誰にもできない。
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