歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】原始人でもわかるように

原始人でもわかるように

 

2019年8月18日 百貨店

 

法律の勉強会が終わった。このあと文章のセミナーがある。現地に移動してもいいが3時間以上も余裕がある。移動時間を引いても、空き時間がどれだけ少なく見積もっても1時間はある。短気な私に暇な時間は耐えられない。いい暇つぶしがないかと辺りをキョロキョロしていたら、あるポスターが目に入った。『トムとジェリー』展、懐かしい。物語を描くヒントになるかもしれない。エスカレーターに乗りこんだ。

 

来てよかった。

 

『トムとジェリー』だけでなく『チキチキ猛レース』などが展示されていた。『トムとジェリー』の生みの親であるウィリアム・ハンナ氏とジョセフ・バーベラ氏に関わる作品が多数展示されていた。

 

なによりも有り難かったのが、キャラクターやストーリをどのように作り上げていったか。足りない時間と予算の中で、いかに最小限の手間で視聴差が喜ぶ表現にするか。創作の積み上げ方と観客を楽しませる技法が丁寧に解説されていた。特に心に響いた言葉がある。

 

「誰でも理解できるテーマにする」

 

『トムとジェリー』は一言で表すなら”猫とネズミの追いかけっこ”だ。このストーリーは形は様々だが世界中の物語に登場する。だからこそ、わざわざ説明されなくても映像を観ただけでスッと頭に入ってくる。これが”もちで喉をつまらせる”とか”羽子板勝負で顔が墨だらけ”では日本人でも全員に理解は難しい。生まれ育った場所に関係なく、どんな年齢性別であっても伝わるストーリーは広まりやすい。これを『SAVE THE CATの法則』という本では直球で書かれている。

 

「原始人でもわかるか?」

 

太古の昔から人間という種である限り変わらない、

喜怒哀楽の感情を揺り動かしているか? 

猫とネズミの追いかけっこのように、

自然の摂理が描かれているか?

 

もし原始人が映像を観たとしても、理解できるほどのわかりやすさがいる。そこまで単純で明瞭でなければ多くの人には広がらない。『トムとジェリー』展はわかりやすさの大切さを改めて教えてくれた。余談だが、制作スタッフに日系アメリカ人が多数いたのに笑ってしまった。世代を経てもオタク気質持ちは多いようだ。

 

読解力の低下が話題によく上がる。今更焦ったところで、すぐに改善されることはないだろう。自分ができることは、相手に合わせてわかりやすく伝える技術を磨くだけだ。人がわかりやすいと感じるポイントは原始時代から変わっていないのだから。

 

人はそれぞれ違う。

だが、共通点も多い。

 

トムとジェリー: ワイルド・スピード (吹替版)

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  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

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