相手を知らずに商売はできない
2019年9月4日 自宅
今日はクラウドソーシングサイト『ランサーズ』を調べる。ライターの仕事を開拓するためだ。日本でも大手のフリーランサーご用達サイトなら仕事がまったくない。それはないはずだ。もし自分ができる仕事は無かったとする。その場合でもライターの仕事を増やすために必要なスキルを見つける。ヒントぐらいはあるはずだ。まずは『ランサーズ』のHPで、登録前でもアクセスできる情報を読む。
5時間ほどかかった。ツカレタ。
商売は売り手と買い手がいて成立する。長く商売が続く人は、売り手でも、買い手でもルールを調べる。自分側だけでなく、相手側のルールも。
今回、私が加わろうとしているのは売り手の立場だ。文章をつくるスキルを『ランサーズ』を利用して提供する役割だ。私は売り手側だけでなく、買い手側の情報も読み込んだ。だから、5時間もかかった。
なぜ、そんなことをするか?
提供する相手を深く知るためだ。
商売の基本は”相手目線”だ。相手の分析もせずに、いい取引はできない。取引というのは、相手が欲しいものと自分の提供するものが一致したときに成立する。よく取引で揉めるのが「話が違う」、相手の期待を裏切ったときだ。
提供された商品が思っていたものと違う。
報酬が割に合わない。
詐欺だった。
どれも相手がよく知らないから発生する。とくに『ランサーズ』はインターネットを利用した商売だ。相手とまったく対面しないまま取引が成立することも多い。対面で長い付き合いがあっても揉める時は揉める。騙されることだってある。対面ですら100%安全ではない。
インターネットを通じた取引は対面よりもリスクが高い。なぜならば、表示されている情報が正しいとは限らないからだ。『ランサーズ』は本人確認に気を配っていた。それでも偽りをゼロにはできない。そんなリスクを抱えているのに、調べられる情報を集めないのは危機感がなさすぎる。
相手側の情報を集める。これは取引以外でも有効だ。たとえば、将棋や囲碁などのゲームでは相手の得意戦法を分析するのは当たり前だ。政府の情報を定期的に集めていれば、次はどんな法律をつくるかの予測ができる。
ちらほら広がりだした走行税という新たな税金の話がある。『ガソリンの消費が減っている』『自動運転を増やしたい』『日本中の道路が傷んでいる』、この3つの情報を知っていれば税金が増えそうなのは予測の範囲になる。
”相手目線”は客観視とは違う。相手は人間という感情の動物だ。たとえAIが相手だったとしても、人の手が入ったものならば作り手の思想は排除しきれない。「相手がどう感じるか?」、相手目線になるということは相手の感情を読み解くことだ。感情を脇に置いて考える客観視とは種類が異なる。
集めた情報はあくまで相手の感情を読む材料だ。感情が読めれば、行動も読める。情報を基準に行動を予測すると、だいたい予測は外れる。人間は理性的には動かないからだ。本人は理性で動いているつもりでも、感情で動いている。もし、ほとんどの人が理性で動くならばダイエットに失敗する人はいない。相手の感情を読むための情報、そのひとつが相手側のルールだ。
相手のことを知らない。
これは目隠しで歩くようなものだ。
転ぶ未来が待っている。
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