新聞を見比べる意味は?
2019年9月23日 喫茶店
久しぶりに喫茶店に入った。私は喫茶店に入る度、新聞を読む。読売新聞や日経新聞など、置いてある一般紙すべてに目を通す。だいたい1紙30分くらい時間をかける。気になった記事だけを全部読む。ほとんどの記事は見出しと結論だけを読む。新聞代だけで食事代の元は取れる。余裕があれば、雑誌やスポーツ紙も読む。喫茶店は、お得な場所だ。
「新聞の情報は古すぎる」
「スポンサーの言いなりだろう」
「事実なんて書いてない」
現在、新聞への評価は散々だ。私も否定する気はない。1紙当たりの文字数が少なくなった。インターネットで何か月も前に流れた情報を載せている。広告スペースが増えた。スポンサーが透けてみえるような記事もある。昔に比べれば、新聞の情報としての価値は下がっている。だが、ゼロではない。
『どういう方向に世間を誘導したいか?』
影響力がある存在の考えを模索するには、とてもいい対象だ。「どこを読んでも同じ、まるで金太郎飴だ」と昔から言われる。そんな日本の報道でも多少の違いはある。情報よりも、新聞それぞれの違いにこそ価値がある。
『定年70歳に延長』というニュースがある。この政府の方針に対する記事の書き方が新聞社によって大きく違う。ほぼ肯定の産経新聞、全力非難の朝日新聞、雇用者の目で読売新聞、経営者の目で日経新聞という特徴が出る。状況によってスタンスが変わることもあるが、基本の立ち位置はどんなニュースでもあまり変わらない。
「一般人が政府や経営者の意見を知る必要があるのか?」
視野を広げる、それ以外にもメリットがある。世の中のルールは少人数で決められている。これは時代が違っても、国がどこであろうと変わらない。ほとんどの人は世の中を動かすルールを決める権利は持っていない。なら、決定権を持たない人はどうすればよいのか?
世の中のルールを利用する。
作れないならば、存在するルールを活用すればいい。
例えば、法律は決まってから実施されるまでに、たいてい1年は猶予がある。だが、法律を実施することは何年も前から決まっている。重要法案が出されたときは、もはやひっくり返せないレベルだ。法案が提出される前に一般への根回しも済んでいる。それがニュースだ。
「この法律が必要だ」
そんな風に世間を納得させる情報が流される。高齢者の健康度が向上した、人手不足での倒産危機、年金財源の不足など法案の成立に都合のいい情報が選ばれる。調べれば、反対の根拠となるデータも見つかる。だが、ニュースになることはない。
この情報を逆行すればいい。ルールを決定する人の代弁者である、新聞の偏りを分析する。一方に偏った情報があまりに多い時は要注意だ。偏りに注目すれば、ルール決定権者がどうしたいかが読み取れる。
ルールを上手に利用するには準備が必要だ。ルールが決まってからでも遅くはないが、うまみは少ない。場合によっては手遅れなこともある。だからこそ、ルールが決まる前に状況をつかむ。そのために必要なのが、ルールの決定者の情報だ。新聞は世の中のルール決定者の思惑を探るうえで、とても見どころのあるデータだ。
表に出る前に
物事の80%は決定済みだ。
↓ ランキングに参加中です。