歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】映画『ヘルボーイ』は、はぐれ者に元気をくれる

映画『ヘルボーイ』は、はぐれ者に元気をくれる

 

2019年9月27日 映画館

 

私はホラー映像が苦手だ。高校時代、授業中に『リング』が上映された。出席したのを後悔した日、ダントツの一位だ。上映中、ひたすら顔は地面と平行にしていた。音声だけでも恐怖の2時間だった、原作は読了済みで展開を知っているのに。ホラー映像のオドロオドロシイ演出と背筋がぞわっとする音、どうにも克服できない。

 

それなのに映画『ヘルボーイ』なんて、タイトルだけで逃げたくなる作品に誘ってくる。映画狂の友人よ。あれほどホラー作品だけは付き合わないと念押ししたのに。「大丈夫、大丈夫。これは怖くないよ」、嘘くさい。今年、『チャイルド・プレイ』と『IT』を観た人の評価なんてあてになるものか。

 

返事をする前に、作品紹介と予告編をチェックする。

 

アメコミ原作、ふむ。血は吹き出ているが、ホラー特有の静かなる脅かしがない。どうもダークヒーローアクション作品のようだ。これから、私でも楽しめそうだ。「やっぱり行くよ」、断りの言葉を撤回した。

 

グロイ。

 

予算が足りなかったようだ。流血の表現が一部つくり物臭い。それが逆に気持ち悪い。血、骨、内臓をぶちまけているので、苦手な人は開始10分でアウトだ。私はリュックベッソン監督の作品『ジャンヌ・ダルク』で耐性がついている。

 

虫と骨のコラボモンスターも出てくるので、多足嫌いにもおススメできない。ダンゴムシを探して喜んでいた。そんな幼稚園児だった生き物にとっては、むしろ懐かしい感覚だ。こちらは、いい意味で動きが気持ち悪かった。空を飛んでいるのに、虫っぽい。

 

人を選ぶ作品

けれども、中身はオーソドックスだ。

 

はぐれ者の成長物語、それが映画『ヘルボーイ』だ。主人公であるヘルボーイは、見た目も身体能力も化け物だ。それなのに、心は人と同じだ。心もモンスターだったら楽に生きれただろう。人と同じ心だからこそ、受け入れられないことに苦しむ。

 

登場人物のほとんどは、ヘルボーイを排除しようとする。何も悪いことをしていない。それどころか、助けても裏切られる。ヘルボーイがやさぐれているのも納得できる。「こういうひどい目に何度もあってきたんだな」、具体的に描かれなくても想像がたやすい。

 

しかし、ヘルボーイはくじけない。どんな状況になっても自分の信念を貫く。「文句が言いたい奴には、好きに言わせておけ」と行動が語っていた。

 

はぐれ者の前向きな生き方をみた。

 

はぐれ者というのは叩かれやすい。人間は本能に「集団生活を乱すものは排除しろ」と刻まれている。世の中は、本能を理性で抑えられる人ばかりではない。嫌な目を味わうのは避けきれない。叩かれやすいのを受け入れたうえで、どう生きるかだ。

 

私は、はぐれ者だ。日本の平均に当てはまっているのは、留年せずに高校を卒業したぐらいだ。おかげで子供の頃は随分といじめられた。親戚などにも陰口をささやかれた。ヘルボーイのようにやさぐれていた時代もある。父親に「くそおやじ」と暴言を吐いたこともあった。なお暴言については反省をしているが、発言が間違っていたとは今でも思わない。

 

そんな状況でも自分との約束は守った。「この線を越えると取り返しがつかなくなる」、そんな予感がしたからだ。苦しい時期も踏みとどまったおかげで今の私がある。

 

理不尽な扱いを受け、孤独になる。そんな立場になっても自暴自棄になってはいけない。そんなことをすれば、理不尽に責めてきた相手に「自分は正しかった」とお墨付きを与えてしまう。これほど腹が立つ話はない。映画『ヘルボーイ』で主人公が示したように、苦しい時ほど頑張る。それが、はぐれ者の生き方だ。

 

調子がいい時は

誰もが良い人でいられる。

 

苦しい時こそ、本性が現れる。

 

ヘルボーイ(字幕版)

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  • 発売日: 2020/01/07
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