自分の体調も知らずに歯医者に行ってはいけない
2019年9月30日 歯科
「大きなのは終わりましたよ」
再び通い始めて半年以上、やっと歯の治療がひと段落した。空白期間は10年を超える。体調が崩れて貧血状態になり、通院を中断した。その後、寝たきり状態にまで悪化した。10年ぶりに訪れた日は杖をついていた。今は手ぶらだ。いろいろと感慨深い。連続で治療したので、1か月ほど休暇らしい。週の予定が一日空いた。ナニヲシヨウカナ。
歯の治療をなめてはいけない。
治療によっては流血する。麻酔も軽くはない。出される鎮痛剤も強めだ。以前、親知らず兼、虫歯を抜いた時に言われた。「今、処方されている薬よりも効くから」「数日は、こちらの薬を飲んでください」と指導された。よく効く薬はたいてい副作用もキツイ。
ちなみに普段飲んでいるのがロキソニン、出された薬はボルタレンだった。薬局で売られている薬とは、名前が一緒でも濃度や量が違う。同じと思って気軽に扱うと、とんでもない目に合う。胃痛や血圧異常などで苦しみたくなかったら、くれぐれも飲み過ぎには注意してほしい。私は胃薬と共にしか飲まないと決めている。
そんな油断できない歯の治療、お任せする医師はキッチリと選びたい。
私が通っている歯科は個人病院だ。その道何十年の女医さんがすべての患者を診ている。この先生、びっくりするほど口うるさい。歯の磨き方から生活習慣まで、行くたびに指導される。歯の磨き残しがないかも、毎回チェックされる。いつも試験気分でドキドキする。
そんなダメ出しの多い親のような人だが、待合室はいつも満員だ。予約は緊急でない限り2週間前でないと取れない。患者さんもそのの家族も先生に感謝している。誰かに「いい歯医者はないか?」と尋ねられたら、私も含めココをすすめる。なぜか?
かゆい所に手が届く。
患者さんの健康状態をすべて記憶している。人によっては家族情報も覚えている。どの病院にかかっているか、どんな薬を飲んでいるか、どういう検査を受けたか、すべてを確認する。患者の話をそのまま信じるのではない。あいまいだと感じたら、病院に問い合わせて調べる。もちろん、本人やその家族に許可を取ったうえで。
なにより、説明が丁寧だ。歯の治療の説明なのに、患っている病気についてまで語ってくれる。「この先生に任せれば大丈夫」という安心感がすごい。
実は、久しぶりに歯科を訪れたのは自身の治療ではなかった。「歯が痛い」と父が言うので付き添った。先生は心温まる対応をしてくれた。
待合室で父を待っていたら、診察室に呼ばれた。何かあったのかと不安を抱えながら向かった。そうしたら、「お父さんが心配でしょうから、そばで見守ってください」と別の不安へのフォローだった。説明をしながらの治療、しかも父と私の両方に個別で説明をしてくれた。手間を惜しまぬ対応に感謝しかできなかった。
安心したので、次回からは一人で行かせた。その時の私は、寝たきり上がりでヘロヘロだった。父を甘やかしたら、こっちが倒れる。『痛いのが怖いからついてきて』との本音を見ないフリした。おまけに一回は付き合った。それで勘弁を願いたい。
その一か月後、私も歯医者に通いだした。
スタッフの皆さんが10年前と変わっていない。
いい病院だという確信がマントルに達した。
美容室や居酒屋とも同じく、数が多いサービスは当たり外れがひどい。私も麻酔なしで歯の神経を抜く医師に出会ったことがある。あの痛みは、30年以上が過ぎた今でもナンバーワンだ。線維筋痛症の眠れない激痛ですら勝てない。歯は頭に近く、神経の塊だ。からだを支える栄養補給の入り口でもある。疎かに扱っていい部位じゃない。任せる相手もしっかりと選びたいものだ。
口うるさいは熱心の表れだ。
相手の為か、自分の為かで評価は分かれる。
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