歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】結局、みんな得

結局、みんな得

 

2019年10月5日 食堂

 

おいしい。英語なら「ヤミー」と言うところだ。故郷のない私にとって、この食堂は心のふるさとだ。幼稚園の時に料理していたお父さんはいない。だが、娘さんが後を継いでいる。接客は昔と変わらずお母さんだ。料理は健康的かつ、おしゃれになった。けれども、だしがふんわり香る優しい卵焼きの味は変わらない。お母さんの笑顔も変わらない。「また、来ますね」、いつもの言葉を投げかけた。

 

長く続いているお店には、すべて共通点がある。この共通点は飲食店だろうと、病院だろうと変わらない。この共通点が欠けているお店はつぶれる未来しかない。それは何か?

 

スタッフの笑顔

お客さんの笑顔

地域全体の笑顔

 

みんな笑顔、これがない場所は消える。スタッフがやけっぱちな店は、10年も持たない。お客さんの笑顔がない店は、1か月すら持つかも危うい。地域を泣かせる店は、なかなかつぶれないが滅ぶときは周りも道連れにする。どの場合でも、消え去ることには変わりがない。

 

考えれば、わかる話だ。嫌な目に合わせる店を盛り立てようとするスタッフ、価値を提供しない店を選ぶお客さん、損ばかりを押しつける店を応援する地域、そんな存在がいるはずもない。

 

「スタッフは入れ替えればいい」

「新規客を増やせばいい」

「他から人を呼び寄せればいい」

 

こんな風に反論する人がいる。この情報が世界を回る時代に、そんな論理は通用しない。インターネットが普及する前ですら、一部しか笑顔にしない店はつぶれた。最近は誠意の無さすぎる対応をすると悪評は一瞬で拡散する。しかも世界規模で広がり続ける。隠していても、いずれバレル。

 

「環境を汚している企業が

 いっぱい残っているじゃないか」

「富裕層ばかり優遇している会社だってある」

 

別におかしい話じゃない。自分たちのスタッフと、お客さんと、周囲は大事にしている。自分たちのテリトリー外に配慮していないだけだ。地球規模で考える思想が社会に影響を与える。地球市民の意識が深まったのは近年だ。環境破壊ですら、世界会議で話し合うようになって100年も経っていない。

 

だが、お金の亡者とよく言われるゴールドマンサックスという金融会社でも、環境などの発言をするようになった。流れは変わってきたが、まだ以前の「自分たちの周りさえ良ければいい」という思想は根強い。けれども、逆流はしないだろう。地球規模で考えられない企業はつぶれていく運命だ。

 

古典落語で”三方一両損”という話がある。意地を張り合った結果、三者が一両ずつ損するハメになるという笑い話だ。TVドラマ『大岡越前』でこのエピソードを観た人がいるかもしれない。これはお話だから笑えるが、現実でこんな取引ばかりしていたらお店はつぶれてしまう。現実は逆に三方一両得、みんなが得する展開にしたいものだ。

 

自分の得だけを追う人は

結局は大損する。

 

大岡政談 1 (ワイド版東洋文庫 435)

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  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本
 

 

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