歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】AIとの向き合い方

AIとの向き合い方

 

2019年10月11日 自宅

 

「ハンデがなければ、プロでも勝てない」

 

囲碁サークルでの会話を思い出した。2012年、ニコニコ動画で電王戦というAIと人間の将棋対決が始まった。第1回の開催からずっと人間の黒星が多い。これは囲碁でも変わらない。むしろ囲碁の方が状況は厳しい。対等では勝負にならず、AIにハンデをもらって勝負になるレベルだ。

 

「人を超えるAIがでてくる」

「AIの進歩で仕事がなくなる」

「AIが日常に溶け込む」

 

最近、こんな議論が増えたがもう遅い。とっくに実現している。もはや『AIを利用するか、しないか』という状況ではない。『AIとどうすれば共存できるか?』という時代に入っている。

 

数字で説明ができる世界では人間はAIに勝てない。将棋や囲碁などのルールを数字に翻訳できる世界では、人間は対戦相手にすらならない。人はすべてを記憶しておくことも、休憩なしで動き続けることもできない。AIの億を超える繰り返し学習に追い抜かれてしまう。

 

すべてを数字に翻訳できない世界なら、AIに勝てるのか?

残念ながら、そんなに甘くない。

ルールが決まっている世界なら、AIが有利だ。

 

現在、銀行や証券会社などでリストラが進んでいる。なぜならば、決まりきった作業ならAIが強いからだ。AIは設定した作業を延々と繰り返せる。人間のように間違えることはない。正確さと繰り返しを要求される、これはAIの得意分野だ。しかも入力スピードは人間とはけた違いに早い。

 

その日のうちに利益の確定をする株取引デイ・トレードが流行った。けれども、今は勢いがない。現在の株式市場はAIが多量に投入されている。AIの株取引注文の早さに人間は追いつけない。大手証券会社で株取引をする人よりも、プログラマーが多い会社が増えているのも不思議ではない。

 

そして、日ごろ利用するサービスにAIは溶け込んでいる。インターネットを使わない生活をしても、AIの手から逃れるすべはない。

 

例えば、商品の電話相談がある。利用するのは電話、話す相手は人間、どこにもAIは関わっていないように感じる。ところが、質問に応える人がAIを利用している。商品の電話相談を受ける人、実は専門家は少ない。マニュアルと短時間の訓練で働いている人が多い。なぜ、的確に回答することができるのか?

 

その秘密がAIだ。

 

相談内容をPCに打ち込む。すると、AIが質問への回答を表示してくれる。その回答を相談者に伝えている。少人数の専門家で、多くの相談に対応できる仕組みだ。しかも、質問内容と回答への反応のデータがリアルタイムで更新される。使えば使うほど、性能が向上するよう作られている。GoogleやAmazonの検索機能も似たようなシステムだ。

 

もはや、AI社会を逃れるすべはない。

どうすれば、AIと快適に過ごせるか?

 

まずはAIを知ることだ。対策を立てようにも、情報がなければ手も足も出ない。日常会話に使われる言語は日本人の多くは日本語、世界では英語がよく使われている。AIの世界で言語に当たるのはプログラミング言語だ。その中でもPythonという言語がよく例にあがる。

 

別にプログラミングが出来るようにならなくてもいい。できれば、もちろんいい。先日、京都大学の全学部共通科目にプログラミング演習があると知った。コンピューターの専門家でなくても、プログラミングを学ぶ時代なんだと感じた。せめて、AIがどういうものかを話せる知識は得ておきたい。

 

次にAIが苦手な分野のスキルを磨くことだ。AIが苦手なのは『あいまい』『新しい』『応用』、大きくはこの3つと言われている。AIのほとんどは、決められた作業を繰り返しているだけだ。つまり、自由度や範囲が広いほど苦戦する。自ら考えられないので、応用もできない。マニュアルにあるとおりにしか動けない店員のようなものだ。人を納得させるサービスはできても、人を感動させるサービスはできない。

 

最後は好きなものを見つけておくことだ。AIの苦手分野はあくまで現時点だ。技術革新のスピードはとてつもなく早い。AIが人間の知能を超える日、”シンギュラリティ”が来ないとは言い切れない。

 

将棋や囲碁では人間はAIに勝てない。それでも、楽しむ人は消えない。それは将棋や囲碁が好きだからだ。勝ち負けや利益が関係ない世界を持っている人は、AIが優勢の時代が来ても絶望することはないだろう。

 

時代の変化は

抵抗するものではなく、

流れにのるものだ。

 

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