映画『ジェミニマン』に個性を学ぶ
2019年11月1日 映画館
ウィル・スミスが好きだから
友人の個人的すぎる好みにより、私の映画館行きが決定した。同じ理由で引きづっていかれた映画『アラジン』が面白くなかったら断っていた。ウィル・スミス氏のダンスはすごかった。だから、アクションも見ごたえがあるはずだ。足取り軽い友人の後ろをテクテクついていった。
バイクって、打撃武器だったのか。
新たなバイクの可能性をみせてもらった。手足どころか、指のようにバイクをコントロールしていた。かかと落としならぬ、バイク落としは一撃必殺だ。ガンアクションは暗殺者の設定なので予想していた。だが、バイクを手足の延長線上で使いこなし、主人公に連続攻撃を仕掛けるのは予想外だった。
ハッキリ言って、ストーリーは普通だ。よくある展開と言っていい。クローンが登場する物語にいくつか触れた人なら、エンディングは予想できるだろう。いつもなら、つまらないで終わりだった。けれども、映画『ジェミニマン』は違った。
アクションがカッコいい。
この1点だけで、観客に納得感を与えていた。つまらない作品は映画館に行くと一発でわかる。エンディング後、劇場に明かりがともった瞬間に目に映る観客の表情が、あく抜きを失敗したゴーヤーをかんだ後のような渋い顔をしている。もっとひどい作品の時は完全なる無だ。鉄板に刻んだ線のように、ピクリともせず無言だ。映画『ジェミニマン』では、ブツブツ言いながらも表情が笑っていた。
ストーリー
映像
音楽
すべてが素晴らしいのが一番いい。だが、予算の関係など大人の事情でうまくいかない時がある。下手に中途半端な作品にするぐらいなら、1点だけ突き詰めればいい。頭に強烈な印象を残すものがひとつでもあれば、評価は一定レベル以上になる。''アクションが大迫力’’の印象だけが残った映画『ジェミニマン』に教わった。この突き抜けた1点こそ、個性と呼ぶのだろう。
華麗なるバイクアクションが上映後30分たっても頭から離れない。この作品は記憶に残りそうだ。不思議なことに、面白いと感じても忘れる作品はある。けれども、強烈な個性を感じた作品は忘れない。インパクトの大切さも学んだ1日だった。
美味しい料理よりも
お金をもらっても食べたくない料理の味を
人は覚えてしまうものだ。
↓ ランキングに参加中です。