歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】出来ないの良いところ

 出来ないの良いところ

 

2020年1月18日 自宅

 

まずい。

明日は法律の勉強会がある。

 

体調は最悪に近い。

だが、今回の内容はどうしても学びたい。

 

よし、今日は寝続けよう。

ブログ記事の書きだめは明後日だ。

 

こんな風に予定がコロコロ変わる。私の人生に安定という文字はないが、予定にも同じくない。むしろ、予定通りに1日が過ぎる方が珍しい。子供の頃も、お出かけの予定が発熱で何度もつぶれた。状況の変化どころか、自分の体調すらコントロールできない。おかげで、私は出来ないことだらけだ。世の中に成功法はあふれている。だが、私が実行できるものは1割もない。

 

早起き? 

意識があるか、不明なのですが?

 

筋トレ?

立ち上がれるか、それすら怪しいのですが?

 

自分との約束を守る?

守ったら、命の危機なんですが?

 

ことごとく体調がそびえ立つ壁になる。10代、20代の時は気合いで達成しようとした。結果は入院や寝たきりで返ってきた。何度も繰り返し倒れれば、さすがに自覚する。自分には出来ないのだ、と。

 

出来ないことが多い自分に、当時はずっしりと落ちこんだ。やればうまくいく方法を知っているのに、自分は体育の見学のように遠くから眺めているしかない。いくらでも解決する方法があるのに、文句を言うだけの人にイラついたこともあった。

 

だが、今では考えが変わった。

出来ないの良さに気づいたからだ。

 

油断しない。

気を抜かない。

ぼんやりしない。

 

不安定な人生なので、常に備えを欠かせない。明日、動けるかすら分からないのだ。健康管理も、金銭管理も、油断なんていう贅沢をする気になれない。最悪の展開を考えるのは、もはや息をするのに等しい。

 

そして、起きていられる時間が少ないので学べる時間が少ない。また、何でも学ぶわけにもいかない。病人の生活費は安くない。真夏と真冬はエアコンと空気清浄機が24時間動いている。そして、身体に良いものは安くない。体調が悪ければタクシーで移動だ。医療費が含まれなくても、必要なお金は少なくない。時間も、体力も、お金も、健康な人より限られている。だから、学ぶ対象をしぼるしかない。それだけ、真剣に選んでいるのだ。気を抜いて学ぶなんてありえない。

 

おまけに、明日、生きてるかすら分からない。これは、健康な人でも同じではある。何歳まで生きられるかなんて、人間にはわからない領域だ。だが、私は死亡する確率が高い。というより、医師に「なぜ、生きているのか?」と、疑問を持たれたことがある。検査の数値上は、目が開いているのがおかしい。そんなときもあった。私にとって、人混みはロシアンルーレットである。はしかや風疹におたふくかぜ、インフルエンザをうつされたら集中治療室の危機だ。『ぼんやりと過ごす?』、目の前に時限爆弾があるような人生に、そんな感覚は生まれるはずもない。

 

出来ないことだらけ、だから常に全力である。遊ぶ時も、学ぶ時も、休む時すら全力だ。人生をスミからスミまで味わって生きている。おかげで、毎日が楽しい。哀しみのショックで感情が動いていない時でも、どこかで楽しんでいる自分を感じる。生きているからこそ、哀しみも感じられるのだ。

 

どんなに大変な時も、悪いことだけじゃない。

そこには良いモノが隠れている。

 

これも出来ないことから、教わった学びだ。

 

 

出来ないには、贈り物が隠れている。

 

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