歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】病院がロシアンルーレットチョコ

病院がロシアンルーレットチョコ

 

2020年3月3日 病院

 

顔が怖い。

ガクブルである。

 

 

今日は精神科で診察を受ける日である。予約しているのだが、いつも待たされる。早くて15分、遅い時は1時間ほど待たされた。混んでいなかった日は一度もない。どう考えても、新型コロナウイルス感染の確率アップだ。マスク、布手袋をしっかりと装着する。かわき目でコンタクトがつけられない。メガネに感謝する毎日だ。

 

なんか空気が違う。

 

精神科は、どの診察室よりも人の心に敏感だ。机の上に置いてある小物、壁の色、はり紙などに繊細な心づかいが感じられる場所だ。患者さんを刺激しないよう、穏やかな雰囲気が保たれている。

 

それなのに、今日はなんか違う。

 

売り上げ不振の会社の営業会議のような、薄暗い沈黙がただよっている。そして、いつもより待っている人が少ない。待ち時間が短くなるのは嬉しい。だが、この重力がうっすらとのしかかるような空気は落ち着かない。

 

呼ばれて、入った診察室で驚いた。

先生、その表情どうしたん。

 

笑顔にイラつきが透けてるよ。

怖い、怖いんですけど。

 

精神科医の感情がよみとれる、自分の観察眼が憎い。

気づかなければ、胃がシクリとしないのに。

 

もちろん、主治医はプロだ。人を和ます笑顔と低めのゆったりとした声は、きちんと保たれている。だが、ふとした表情に精神状態が映し出されている。パソコンの画面に視線を向けた瞬間や、会話と会話のすき間に、目線がギリッと厳しくなる。お疲れなのか、顔色もどこかさえない。

 

新型コロナウイルスに、精神科も追いつめられているんだ。

これは、下手に触れない方が良さそうだ。

 

いつもより、手短に話を切り上げた。それなのに、このタイミングで血液検査である。予想にたがわず、看護師さんの表情も硬い。なんの精神修行だ。私の血液検査は、毎回コーヒーカップ半分は血を抜かれる。黙っているには長すぎる時間がかかる。新型コロナウイルスには触れずに、クスリとする話題を選ぶ。看護師さんの表情が和らいだ。ホッとした。

 

その後、訪れた薬局もピリピリしていた。

精神科の診察の日だったのに、気疲れを抱えて帰宅した。

 

今日の精神科は表面上は穏やかなのに、その内側はピリリとしていた。まるで、ハバネロ入りが混ざっているロシアンルーレットチョコである。どこに感情の爆発ポイントがあるかわからない。医療関係者も人間だ。しみじみと実感する1日になった。

 

 二度と味わいたくないが。

きっと、無理なんだろうな。

 

自分の精神のために、新型コロナウイルス流行が静まることを祈った。 

 

 

どれほど隠そうとしても、

心の内はちょっとしたしぐさに現れる。

 

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