期待外れは不意打ちの一撃
2020年3月12日 自宅
「なんだ、この動きは」
いつもとは違う。
夜間に発信されたニュースを調べる。
たどりついた原因に、ハーとため息が出た。
私は毎日、金融情報をチェックしている。
日本だけでなく、世界中の金融情報を。
別に投資をしているわけではない。世の中の動きがグラフで読みとれるからだ。世界の為替、暗号通貨、株式、国際、商品先物は朝イチで軽く目を通す。注目するのは金額、ではない。グラフの動きの変化をみている。毎日、眺めていれば気づくことがある。
株価が上がれば、金先物と国債が下がりやすい。
ドル円で円が上がれば、日経平均株価が下がりやすい。
商品先物にお金が流れているときは、株価が上がりにくい。
これは投資の本にもよく書いてある法則だ。AIでの取引が拡大したが、このような法則は生きている。私が気にかけるのは、この法則が乱れた時だ。定番から外れる時は、何かが起こった時だ。どの出来事が原因なのか、ニュースサイトに探しに行く。
今朝は株価がガクッと下がり、国債が上がっている。
その上げ下げの幅が、ただ事じゃない。
原因はすぐにわかった。
アメリカの大統領、トランプ氏の発言だった。
なぜ、株価が下がってしまったのか?
期待外れだったからだ。
素晴らしい発表をすると前日から宣伝していたのに、中身がパッとしなかった。おまけに、感染症対策へのやる気がない。その失望でナイアガラの滝の勢いで株価が下がった。
期待外れ
これほどの悪影響はない。
期待外れを公表するぐらいなら、黙っていた方がマシなぐらいだ。
ケンカ中の相手がスッと手のひらを上に向けて、腕を伸ばしてきた。「仲直りの握手かな?」と、こちらも腕を伸ばした。そうしたら、手を握りしめ殴りかかってきた。「騙したのか!」、さらに怒りが燃え上がった。
このように期待外れは、不意打ちの一撃をしたかのような感情を相手に与える。発言者に悪気がまったくなくても、相手は裏切られたと受け取る。なんで、期待外れが起こるのか?
感覚のズレ
一言で語るならば、調査不足である。情報を受ける人のことをわかってない。だから、喜ばせようとした発言で受け手を激怒させる。これは、個人レベルでもよくある話だ。
元気づけるつもりが、追い詰めていた。
盛り上げるつもりが、盛り下がった。
自信満々に出した企画が、酷評された。
期待外れを完全に避ける方法はない。だが、多少の予防策はある。情報取集と信頼関係がしっかりしていれば、ダメージを最小限にできる。
情報取集は感覚ズレを防ぐために必要不可欠だ。自分の感覚ほど、他者とズレるものはない。『調べないとわからない』ぐらいの気持ちでちょうどいい。その気持ちで最大限調べても、完全には一致しない。それほど、相手の期待をよむのは難しい。
期待外れをやらかしたとき、救ってくれるのが信頼関係である。相手が『仕方ないな』と感じてくれるかは、信頼関係の深さで決まる。信頼関係が底が見えないほど深ければ、助けの手を差し出してくれることもある。深い信頼関係は、最強のセーフティーネットである。
トランプ大統領は自信満々で、世界からの信頼は深くない。
残念ながら、世の中の混乱はさらに悪化しそうだ。
困った時に自分を救ってくれるのは、
日ごろの行いである。
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