歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】書籍『怖い仏教』に変化を学ぶ

 書籍『怖い仏教』に変化を学ぶ

 

2020年4月15日 自宅

 

Twitterのフォロワーさんが紹介していた本がすごく気になる。気になる、この感覚が強い時は面白い本であることが多い。調べたら、電子書籍でも発売されている。迷うことなく購入ボタンを押した。

 

書籍『怖い仏教』

 

あおり文句エロ、グロと書いている。一瞬、神話の本と間違えたかと疑った。エログロの原点と言えば神話である。国を問わず、男女のもつれと血が流れない神話はない。絵本には無かった? 子供向けの本は過激な表現がカットされている。童話ですらエログロはある。ディズニー映画の代表作『白雪姫』も原作はかなり手厳しい。エンディング手前の表現はグロとしか言いようがない。

 

仏教も古くからある書物だ。エログロな逸話があっても不思議じゃない。たまに仏教は平和な宗教だという人がいる。そういう人は日本の歴史を忘れている。仏教が日本に伝わった時、受け入れるかどうかで殺し合いが起こった。戦国時代の前後はお寺が武装集団を多数抱えていた。織田信長公を最も長く苦しめたのは、武将ではなく仏教を信じる集団だった。どんな思想であれ、意見がぶつかれば争いが起こるものだ。『反対者を全員殺せば、平和になる』、こういう思想すらある。人の業とは薄暗いものだと思った。

 

とはいえ、仏教でエログロはなかなか珍しい。期待に胸をふくらませながら、ダウンロードボタンを押した。

 

率直だな。

 

後ろ暗い記録が、がっつり残っているとは。死体のそばで暮らしていたとか、組織内の汚職とか、性別問わぬ色恋騒ぎとか、よくぞ残っていたものだ。ごく普通の集団なら、負の遺産として記録から抹消している。現代にまで恥と言われそうな記録が残っているとは。

 

内容はあおりに違わぬエログロだった。その内容とは裏腹に、私の心はスッキリしていた。仏教への長年の疑問が解けたからだ。

 

なぜ、そこまでに人間の弱さに詳しいのか?

 

仏教の特徴は、人間のダメさへの理解だと思っている。人の愚かで、醜い点をまっすぐにみつめている。なんでこれほど豊富なトラブル対策Q&Aがあるのかと不思議だった。失敗例もたくさん載っている。その疑問が書籍『怖い仏教』のおかげで察することができた。

 

実例集

 

集団生活で起こったトラブルへの対策、その成功と失敗を書き記していた。教えだけでなく、その実例集も経典にした。だから、どこまでも具体的で実生活にいかせる学びが多いのだ。そして、多くの人の本性をみつめ続けたからこそ、この原則に至ったのだろう。

 

無常

 

移り変わらぬものがない、という教えだ。この教えの最も面白い点は、この原則が説かれた仏教ですら無常の法則から逃れられなかったという点だ。ブッダが教えを説いたときの仏教と、現代の仏教は大きく違う。初期の仏教には、仏像も先祖供養もない。自らも教えの通り、これほど説得力のある実例はない。

 

人は同じ毎日が続くと思いがちだ。だが、そんな保証はどこにもない。むしろ、変わっていくのが自然なのだ。逆に言えば、どれほど不運な状況もいつかは終わる。悩んでも何も変わらない。今この瞬間を生きることが大事だ。そのことを書籍『怖い仏教』は教えてくれた。感謝だ。

 

今この世にいる人も、

200年後には全員いない。

 

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怖い仏教 (小学館新書)

怖い仏教 (小学館新書)

  • 作者:純, 平野
  • 発売日: 2020/04/02
  • メディア: 新書
 

 

 自己紹介でもある記事

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