歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】久しぶりの外出がみせてくれたもの

久しぶりの外出がみせてくれたもの

 

2020年4月30日 自宅 

 

 外出をした。

数えてみたら、4週間ぶりの外だ。

 

薬局に処方された薬を受け取りに行った。

たった20分の外出だ。

それでも、とても楽しかった。

 

空はこんなに高かったんだ。

 

道路の上から見上げた空は、ベランダから眺める切り取られた景色とは違った。雲はどこまでも連なり、青がガラスのように透きとおっている。道路の上とベランダ、10メートルほどの違いでしかないのに。山の大きさも、木を彩る緑も、すべてが鮮やかにみえた。不思議なものだ。

 

違ってみえただけではない。

街の変化にも気づいた。

 

看板が変わっている。

雑草に花が咲いている。

あの店が無くなった。

 

4週間だけの不在でも、まったく同じものはない。

何かが少しずつ変わっていた。

 

わずかな変化だ。毎日、目にしていたら気づかなかっただろう。4週間という時間がみせてくれた面白さだ。もうひとつ、気づいたことがある。

 

贅沢になっていた。

 

寝たきりの時は、起きていられるだけでも嬉しかった。今日はいつもより多く文章が読めそうだと心がおどった。それが今では、本を読めるのが当然だと感じている。喜びへの感性が鈍っていた。

 

雑草

 

本来、自然に区別なんてない。どの花も変わらぬひとつの生命体だ。それを人間の勝手な判断で雑草なんて名をつけている。 私の眼には、庭に植えらえている花もアスファルトと溝のすき間から咲く花も美しくみえる。

 

 その人間の傲慢さを私は笑えない。自分も同じだからだ。寝たきりの時はうらやましかった、何の支えもなく歩ける貴重さを雑用扱いしていた。道に咲く花に雑草と名づけた人のように。

 

4週間ぶりの外出がみせてくれた。

日常の美しさと自らの愚かさを。 

 

時間というのは偉大な先生だ。

大事なことを教えてくれる。

 

自分はまだまだ未熟だな。

深く反省するひと時となった。

 

今日はとてもいい日だ。

 

 

空気

 

大事なものほど、その価値に気づきにくい。

失えば、生きていられないのに。

 

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