歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】陰口の本質

陰口の本質

 

2020年5月24日 自宅 

 

わけのわからんメッセージが届いた。

即、削除した。

 

私は陰口に心からの感謝を抱ける。なぜならば、陰口は言われた相手の弱みではない。発言者のコンプレックスそのものだ。つまり、相手の心の柔らかい部分である。私にとって、陰口を言う人は自らの弱みを差し出してくれる人だ。とても有難い人たちである。

 

面白半分やストレスをぶつける言葉に泣いたこともある。そんな私が陰口に「情報提供、ありがとう」と思えるようになったきっかけは高校生活である。 ある人物の行動が私の視野を広げてくれた。

 

おそらく存命なので、Aさんとする。Aさんは、後頭部から流血するほどのいじめを裏で操っていた人だ。50対1のいじめだったが、直接暴力をふるうのは数人でほとんどは無視だった。Aさんは「そんなこと止めなよ」とよく言う人だった。目が楽しそうだったので、説得力が皆無だったが。女性陣の2番手というポジションで自分の手を汚さないタイプだった。

 

私の対応はスルーである。見ないフリする教師陣に人を玩具のように遊ぶ生徒たち、下手な演劇をみている気分だった。あほらしいので、暴力のダメージだけ最小限になるよう努めて放置していた。それがよほど腹立たしかったのだろう。転校するまでの2年間、登校する度に傷が増えた。まぁ、貧弱体質だったので登校日はあまり多くなかったが。

 

ロクな思い出がない学校を転校して2年後、高校受験でまさかの再会だった。自信満々のAさんがにこやかに「久しぶり」と声をかけてきた。 ただし、目が泳いでいる。当時の私は感情が凍りついていた。特に思うこともなく会話を続けた。どうやら、同じ学校に受験する人がおらず心細いようだ。試験に自信がなく不安でオロオロだった。

 

弱った人間に追い打ちする趣味はない。過去にこだわるのも好きじゃない。自分でもお人よしが過ぎると思ったが、その日ずっとフォローした。Aさんは、何度もありがとうと返した。

 

ここで終われば、いい話かもしれない。だが、現実はそんなに美しくない。高校に入学すると、Aさんが同じクラスだった。Aさんは私に一言もあいさつすることはなかった。それどころか、新たに作った女性の友2人とまたいじめのターゲットにしようと動き出した。

 

私は落ち込まなかった。

予想通りの動きだったからだ。

 

なぜ、わかったか?

 

高校受験の日、1度も「ごめんなんさい」が無かった。心から感謝をしていれば、過去の自分の行いを謝罪する。なんせ、当時の私は体中あざだらけ、給食に異物を入れられて保健室送りなど多くの被害を受けていた。言葉に出せなくても、申し訳そうな態度をとる。それが、一切なかった。『また、やるな』と思っていた。むしろ、あまりに予測に沿った動きで失笑するしかなかった。

 

再び私でストレス発散しようとするAさんの試みは成功しなかった。私は防御行動はとっていない。前回と同じく、放置一択である。Aさんは計算違いで自滅していった。計算違いは3点、親友・環境・私の評価である。

 

Aさんが動き出す前に、私は親友と出会っていた。親友は友人がすぐに増えるタイプで、いっしょにいる私の周りにも3人どころではない人数がいた。前回は50対1だが、今回は3対15である。前回のような一方的な展開にはならない。

 

そして、状況があまりに違い過ぎた。前回は幼稚園から中学校までまったくメンバーが変わらず、いじめられるのが持ち回りという異常な環境だった。そこに転校生として放り込まれた異分子が私だった。今回は高校である。人間関係はゼロからスタート、いじめが当たり前なんて風習はない。

 

トドメが私が将棋で全国大会に出場したことだ。良い評判を運んできた人間をないがしろにする学校はない。学校の評価が高い人間を攻撃すれば、逆に大ダメージを受けるのは自分である。

 

Aさんは頑張っていたが、いじめが起きることはなかった。悔し紛れに、仲良くなった友人と3人で私の陰口を言うだけの存在になった。結果、進級時に目の前からも消えた。その学校は成績でクラスがわかれる制度だった。Aさんは成績をガクンと落とし、陰口仲間と成績が一番下のクラスに去っていった。

 

この流れで、私は理解した。陰口は弱さの証明なのだ。ひとりでは何もできず、似た者同士と固まって自らの価値を落とす発言しかできない。そして、いずれそのツケは自分に返り破滅する。哀しい存在である。

 

逆に言えば、陰口は裏返った賞賛だ。1対1では勝てないと心のどこかでわかっているから、陰口なんて手を使うのだ。おまけに、陰口は発言者の弱みである。「あなたは私よりも強い。そして、私はこんなコンプレックスを持っています」と自己紹介しているのだ。

 

いじめられた当時、Aさんはうっとうしい存在だった。だが、今ではとても感謝している。Aさんの数年にわたる行動が陰口の本質を教えてくれた。おかげで、その後、どれだけ陰口を言われようとネタ提供にしか思えない。ダメージ皆無どころか、エネルギー回復である。

 

Aさん、素晴らしい気づきをありがとう。

この感謝が尽きる日はないだろう。

 

 

嫌な出来事からの学びは

常に良い出来事の学びを上回る。

 

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