歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】無計画も悪くない

無計画も悪くない

 

2020年7月19日 自宅

 

予定が狂う。

 

子供の頃からの恒例行事だ。

 

 

予定通りならば、今日は法律の勉強会だった。けれども、感染症の大流行中に免疫異常持ちがウロウロできない。1年分の予約をしていたが事情を伝えてすべてキャンセルした。法律の勉強会だけでなく、他の予定もほとんど消した。おかげで、スケジュール帳は白だらけだ。主治医に「通院日はいつでもいいですよ」と言えるのが楽でいい。

 

これほどの予想外は人生初だが、予定が崩れるのは慣れている。何度、行事の中止があったことか。最も強烈だったのは七五三だ。7歳のとき、着物で父の職場に挨拶をしている最中に親戚が亡くなったという連絡が入った。これが、七五三の唯一の記憶である。先の2回は病欠だった。他の行事もほとんどが当日に高熱でキャンセルだった。自分の身体が原因なのでどうしようもない。第2位が身内の不幸なので、こちらもどうしようもない。15歳を過ぎるまで、なぜか血縁が亡くなることが多かった。毎年のようにお葬式があったので、めでたい祝いをほとんど経験していない。今年は亡くなった人がいないと決行した七五三ですら途中で中止になった。

 

すぐに動く。

 

そんな予定キャンセルの繰り返しにより我が家の方針が決定した。予定がことごとく潰れるならば、計画を立てなければいい。旅行に行きたいと思った日に行く。食べたいものはすぐに食べにいく。私の体調不良が最大の壁だ。当時は固定電話しかなかった。外出してしまえば連絡は入らない。思いついた日に動く。無計画が我が家の当たり前になった。両親が離婚しても、母が亡くなっても、この方針に変更はない。

 

無計画なのでトラブルは多かった。向かった店が休日だったり、泊まる場所がすべて満室で親子3人でラブホテルに泊まったこともあった。旅先で母が怒って、険悪な雰囲気になったこともある。手持ちのお金が心細くなって父の顔色が青かったこともある。

 

けれども、楽しい驚きもたくさんあった。たまたま港に停泊していた客船のビアガーデンで食べたピラニアの丸揚げはさっぱりとして美味しかった。清流で目撃したオオサンショウウオは林からこぼれる光で輝いていた。たどり着いた日がよさこい祭りの日で、北海道大学のド迫力な演技に棒立ちになった。あの日食べた、トウモロコシはとても甘かった。とれたてメロンと十勝アイスの組み合わせは言葉を奪った。

 

計画できるのは良いことだ。

だが、無計画も悪くはない。

 

無計画な行動を多く経験したおかげで予想外な出来事への耐性が強くなれた。計画してから行動という方法しか知らなければ、大混乱の世の中でのほほんとした気持ちにはなれなかった。泣き虫でも経験を重ねれば揺れぬ心が手に入る。そう気づけば、大変だった15年を穏やかに想える。

 

なにより、無計画は驚きをたくさん与えてくれる。

トラブルな驚きすら年月を経れば宝物になる。

 

二度と得ることのない想い出に。

 

 

驚きというスパイスは

贈り物という食材をより美味しくしてくれる。

 

 

 

自己紹介でもある記事

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