歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】トラウマには感情制御

トラウマには感情制御

 

2020年8月20日 自宅

 

またか。

 

慣れているが、疲れる。

 

 

ニュースをチェックする時

 

今日もトラウマ劇場が脳内で連続上映された。悲劇的なニュースの半分ほどは自らの修羅場な体験にひっかかる。結果、毎回ではないが当時の記憶がフラッシュバックする。その記憶につられて別の記憶も引きずり出される。いつも不思議に思うことがある。時計で確認した経過時間よりも体感時間が圧倒的に長い。脳内に映し出された動画を、もしPCで再生できたとしたら。少なく見積もっても10倍以上の時間がかかる。脳の仕組みというのはすごいものだ。

 

10代前半ぐらいまではトラウマ再生に動揺していた気がする。それが、今ではピクリとも心が揺れない。ただ、トラウマ映像を高速で連続再生されるので脳が疲れる。過去に色々試したが、ニュースをきっかけに記憶が呼び起こされるプログラミングを改良することはできなかった。それゆえ、ニュースをチェックする時間を限定している。体調が悪い時はチェックすらしない。

 

トラウマ体験を思い出すとダメージを受ける人がほとんどだろう。私が平然としていられるのは感情を停止できるからだ。感情を切ると、すべてを記録と捉えられる。そうすると、トラウマ映像で心が揺さぶられない。観たくもないドラマを強制的に視聴させられているような感覚になる。多少、脳は疲れるが精神ダメージを受けない。無意識の部分ではダメージがあるかもしれないが。不都合が起こってないので気にしない。

 

感情の停止

 

これができるのは、過去に感情が凍りついたことがあるからだ。凍った感情を溶かすのに年単位かかったが、代わりに感情をオン・オフできる特技を得た。感情は大切だが、冷静さを保ちたいときや客観的に判断したいときはマイナスに働く。自傷に走った原因のトラウマ体験すら無感動に分析できる。こうなると、判断ミスはあっても自分棚上げや身内びいき、憎い相手に関わるものはすべて憎い。そういう自分本位な偏りは排除できる。予測精度を上げるのに最も役に立っている特技だ。

 

感情の停止は、とても便利な特技である。

だが、他者に伝える方法がない。

 

「どうすれば、トラウマと向き合えますか?」

 

何回も聞かれて、とても困った。感情を凍らせる方法なんて知らない。凍った感情がなぜ溶けたかもよく覚えていない。どちらも自然の成り行きだ。感情停止が虚無につながり、昔の私のように死に向かうリスクもある。「楽しさ消滅どころか、料理の味もわからなくなる世界に陥るかもしれませんよ」という特技なのだ。感情停止は便利だが、その分リスクが高めになっている。

 

トラウマ持ちと交流しながら、いろいろアイディアを出した。数を重ね、成功率が高かった方法はこれだった。

 

感情の割り込み

 

無意識はともかく、意識はひとつの感情しか自覚できない。だから、トラウマ映像がクッキリ再生される前に別の感情を呼び起こす何かを割り込ませる。音でも、画像でも、香りでも、とにかく何でもいい。意識を逸らすことができればいいのだ。苦手な生き物による恐怖を利用する『毒を以て毒を制す』という技も生まれた。恐怖に恐怖をぶつけて打ち消す、この方法はとても成功率が高かった。物語のようにきれいに終われないのが現実の世界である。

 

感情停止

感情の割り込み

 

つまり、感情制御だ。二つの違いは感情を制御できる深さの差にすぎない。トラウマが苦しいのは、当時の感情が引きずり出されるからだ。ならば、引きずり出さないように管理すればいい。

 

過去は変えようがない。

苦しみを減らしたければ、工夫あるのみだ。

 

感情制御は、その手段のひとつである。 

 

 

感情は暴れ馬だ。

自由なままだと、どこまでも暴走する。

 

崖下に落ちるまで。

 

 

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