どんな相手も批判する気になれない
2020年9月9日 自宅
癖のある性格だな。
それゆえに、生き残れたが。
自他ともに認めるトラブルだらけの人生
ちょっとした雑談のつもりで口にしたエピソード、それに予想外のアクションをもらい困惑する。何度となく、繰り返した。抑え気味に刺激の強い所はぼかしているのに。世の中に絶望するような救いのないエピソードは除いているのに。たまに予想を外してしまい焦る。
やめて、目を潤ませないで。
終わったことだから。
トラウマにもなっていないレベルだから。
相手を落ち着かせるのに言葉を尽くすハメになる。普通とのズレを実感するひと時だ。なんで、私はこんな苦労をしているのか。自業自得とはわかっていても、つい何かに八つ当たりしたい気持ちになる。なんとか周りを落ち着かせても、このセリフをよく言われる。毎回ではないが、2回に1回は言われる。そして、少し困ってしまう。的外れなので。
「なんで、許せるの?」
それは、いくらなんでもダメだろう。
そういう言動をした人を淡々と解説するので、私が目を逸らす行いをした人物を許していると感じるらしい。批判の言葉をつけることなく、ただただ言動だけを語る。その態度を話を聞いている人たちは許しと受け取る。こちらとしては許した気はない。批判する気にならないだけだ。さらに付け加えると、過去という動かぬものにこだわる気持ちにならない。ついでに、私は陰口が嫌いだ。言いたいことがあるなら、本人に直接言う。または、本人に言える事しか言葉にしない。
なぜ批判する気にならないのか?
相手の立場でみると、仕方ないと感じてしまうのだ。
その言動を認めるわけではないが。
例えば、50対1のいじめである。服は古臭い、流行を何も知らない。学校も休みまくる。それなのに教科テストの点だけはいい。田舎で学年どころか、学校すべてが幼馴染の場所に異物が放り込まれた。その異物は、自分たちに交じる気もルールを守る気もない。仲間外れにしても、欠片も気にせず本を楽しんでいる。疲れる体育も部活も免除されている。そりゃ、ぶっ叩きたくなるだろう。
家庭は修羅場、流行を気にする余裕なんてない。学校・体育・部活休みは、体が貧弱だからだ。一人で平気なのは小さい頃からの特性だ。テストの点がいいのは本好きのおかげである。病人に楽しめる数少ない娯楽が、たまたま勉強にプラスだっただけだ。嫌な顔で集団で囲む人間に使う時間なんてない。いじめ持ち回りなんてルールには従いたくない。これが、私の立場だ。
50人からすれば、集団を乱す私が悪い。こちらからすれば、気に食わないならば無視すればいいのに関わってくる意味がわからない。譲らぬ両者がぶつかった結果が、50対1のいじめを1年半(流血付き)である。世間からみれば、いじめ持ち回りは悪だろう。だが、相手はその集落しか知らない小学生である。集落ルールが世界のすべてだ。この場合、責めるべきは隠ぺい工作に走った周りの大人たちであって子供ではない。
こんな風に、何かを判断するときは相手の視点に立って考える。そうすると、どれほど酷い言動でも一部は理解できる点がある。そこに気づいてしまうと、なんとなく批判する気になれない。大人たちのいじめ隠ぺい工作も、田舎は就職できる場所が少なく家族の生活がかかっている。その状況をみれば、他人の子供一人を生贄にするのも納得はできる。共感はゼロだが。
あんたはおかしい。
この相手の視点思考を口にすると責められることがある。たいていは似たような体験がある人だ。それも批判する気にもなれない。殴られた痛みや見捨てられた恨み、なんで自分だけと憎みたくなる気持ちは私も持った。その憎んでいる相手を庇っているような意見なのだ。否定したくもなるだろう。私にできることは、「うん、おかしいと言われても仕方ないと思っている」と伝えるだけだ。
自分の感情をストップして、物事を観察できる。
これは、私が持って生まれたスキルだ。異分子だと叩かれることもあるが、このスキルのおかげで数々の修羅場を切り抜けた。批判する気が起きないからこそ、憎しみに囚われることもない。代わりに、調節しないと人間関係で不都合が続出する。多くの人は感情ストップはできない。だから、軽い気持ちで話した体験で泣かれたりする。
昔の話だから、大丈夫だから。
そんな泣くような話じゃないから。
体験した生き物が未体験な人を慰める、という不可思議な状況になる。泣いてくれる人は感受性が高く優しい人だ。そういう人を放置するわけにもいかない。当時の体験より、こういう泣かれたときの方が対応にすごく困る。『泣いても、それだけじゃ何も変わらないでしょうが』、自分にはいくらでも言えるが。他者にはちょっと言い辛い。
感情というのは扱いづらいものだな。
つくづく、思い知る。
批判するのはいい。
だが、
相手を批判できるほど
自分はしっかり生きているのかね?
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