書籍『ずぼら瞑想』に継続を学ぶ
2020年9月18日 自宅
ずぼら、いいよ。
悪いイメージがあるのが理解できない。
友人に面白そうな本を紹介してもらった。重点学び対象としている禅、それに関わりの深い瞑想についての内容だ。著者について調べてみたら、お医者さん兼お寺の住職という気になりすぎる言葉が飛び込んできた。購入ボタンに伸びる手を止める術はなかった。
友人は「読みやすい、実践しやすい、続けやすい」と絶賛だった。なかなかの活字中毒なので読みやすいとの評価には疑問が残る。だが、羊さんのゆるゆるイラストな表紙は読者に優しそうなイメージを受ける。それに、お寺のお坊さんだ。仏教の深い知恵をよく知らない人にわかりやすく伝える立場だ。医師の書いた本によくみられる専門用語だらけの文章だとは思えない。特に精神科医が著者の場合、理解しやすい本と理解しにくい本の差が激しい。
この本はどちらなのだろうか?
たぶん、理解しやすい本な気がする。
まぁ、大事なのはそこじゃない。
語られる中身だ。
少なくとも、瞑想の方法を並べるだけなんて浅い本ではないはずだ。仏法と心理学、最低でもふたつの視点を著者は持っているのだから。177ページ、分厚い本じゃない。少なめな文章でわかりやすく説明するのは難しい。
それでも、精神科医も住職も理解のプロだ。
文章スキルを上げる参考にもなる中身なはずだ。
ちょっとズレた期待を抱えながら、本のページを開いた。
親切だ。
この本、すごく親切だ。
著者である川野泰周氏の人柄の優しさがしっとり伝わる文章だ。親切なのは文章だけではない。自由時間の少ない人のために、一部だけ読んでも役に立つように構成されている。文章が苦手の人のために空白も多めだ。往々にして、頭がいい人の本は難しいものが多い。自分が理解できるレベルを基準にしてしまうのだ。私は読者置いてけぼり本と呼んでいる。多くの心が傷ついた経験がある人と交流されたからなのだろう。ストレスや疲れなどで思考力が下がっている人でも読みやすくつくられている。
中身を読む前に親切さを感じるのだ。当然のように瞑想の解説もわかりやすい。瞑想をよく知らない人だけでなく、「ここまで簡単・お手軽なのは瞑想じゃない」とツッコミそうな人も一理あると思わせるように書かれている。
本格的な瞑想は大変だ。
何もせずにじっとしている。ただ、これだけも3分を超えると厳しい。何より、できるだけ思考を空白にするのはもっと厳しい。瞑想を一度でも試してみれば気づく。人というのは常に何かを考えている。真空パックに少しでもすき間があれば空気が入ってしまうように、ちょとでも気を抜けば「今日の夕飯はなんにしよう」とか考えてしまう。瞑想では、それを雑念という。瞑想を習慣にしていても、この雑念をゼロにすることはまず叶わない。瞑想の修業を年単位している人でもほとんど至れない領域だ。毎日瞑想15分、これも挫折する人が多いのは無理もない。
書籍『ずぼら瞑想』では、もっと簡単な方法を紹介している。1分の瞑想とか、他の作業をしながらとか。習慣の挫折した回数を覚えていない私でも続けられそうな内容だった。しかも、紹介する瞑想の種類がとにかく多い。『これなら、私でもすぐに試せそう』と思わせるラインナップだった。
習慣の挫折
その原因は”面倒くさい・我慢できない・しんどい”が多い。準備が大変だとか、好きなものを食べられないとか、運動量が多すぎたとか、ダイエットを筆頭に多くの人がこの3つで挫折する。書籍『ずぼら瞑想』では、この3つを徹底的に叩き潰している。親切の暴力と言っていいほど微塵の油断もない。
”ずぼら”って素晴らしい。
素直に思える内容だ。
瞑想だけでなく、継続についても多くを学べた。それに、とても読者に優しい本だった。ひねくれ者な私には絶対に至れない領域だ。同じようにはとても成れないが、もう少し心臓に負担をかけるような言葉は控えようと思った。考えて文章を書けない私には、完全に達成することはできないだろうが。
なんにしても、心地よく楽しめる文章だった。優しい活字中毒者には優しい文章が集まるのだろう。「あんたの頭の中身が理解できない」とコメントされる我が家の本棚とは大違いだ。
読んでいるだけで和む書籍『ながら瞑想』
友人よ。
紹介してくれて、ありがとう。
またの紹介を楽しみにしています。
絶対に継続するコツ?
止めろと周りに反対されても
やりたいことなら余裕だろ。
そうじゃないなら?
楽な事さ。
自己紹介でもある記事
↓ ランキングに参加中です。