書籍『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』に厳しさを学ぶ
2020年9月26日 自宅
また、友人に本を紹介してもらった。書籍『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』、ちょっと変わった食堂についての本だ。著者は小林せかい氏、店主さん本人が書いている。それにしても、表紙だけでなんとくなく伝えたいことがわかる。ぱらぱらめくる。256ページの厚さで図も多め、前回紹介してくれた『ずぼら瞑想』と同じく読みやすそうな本だ。
早速、読む。
……厳しい。
なにこれ、すごく厳しい。
世の中をみる目がすごく厳しい。
『未来食堂』『ただ飯』『大衆食堂』
優しそうなイメージが湧きそうな言葉がたくさんあるのに、語り口調も丁寧なのに、伝わってくるものがすごくシビアだ。あ、あれだ。モグラたたきだ。他の人ならモグラが完全に見えてから叩くのに、この方は見えた瞬間に叩いている。それどころか、モグラが出てくるパターンを分析、出てくる前からハンマーを掲げて待っている。世間の反応の予測がとにかく手厳しい。
「頑張っていればうまくいく」
「いいものを作っていれば自然と広がる」
「誰かのための行いなのだから成功は確実だ」
そういう甘さが微塵もない。むしろ、「偽善者」「よそ者」「弱者」と非難されることを想定して動いている。穏やかな文章の端々に怒りが透けて見える部分がある。その部分も丁寧さは剝がれていないのがすごい。新事業は必ず邪魔をする人たちが出てくる。この本に書かれていることは、公開できる出来事のひとつでしかないのだろう。
起業だけでなく新しいチャレンジが失敗になる場合、ほとんどは見込みの甘さが原因だ。まず、人には自分の考えは正しいと思いたがる癖がある。そして、時代や運という個人ではどうすることもできない流れがある。うまくいっても、引きずり下ろそうとする人たちが出てくる。そういう予測を乱す条件への想定が甘いのだ。
先を悪く思い過ぎると、車を運転中に電柱に注目しすぎて突っ込んでしまう運転初心者のように失敗に向かってしまう。けれども、すべてうまくいくもまずい。大丈夫だろう運転で飛び出した人に気づくのが遅れ事故になる運転者と同じように、取り返しのつかない惨事を引き起こす。目的地に向かうための準備と行動中の注意は『もし、トラブルがあったら』思考が基本だ。世の中を甘くみるものに輝かしい未来は訪れない。
表向きは優しい、本質はどこまでも厳しい。
なかなか出会いにくいタイプの本だった。私はこういう予想を裏切ってくれる文章が大好きだ。書籍『やりたいことがある人は未来食堂に来てください』、ビジネス書なのに驚きが多いステキな本だった。
それにしても、前回は『ながら瞑想』という心理学と禅のコラボ、今回はビジネス書、友人の紹介してくれる本のジャンルがバラバラだ。まことに頼もしい友人だ。
次回も楽しみにしている。
友人、ありがとう。
さて、もう一回読み返すか。
希望と絶望
このふたつは切り離せない。
ゆえに
絶望を含まない希望は
崩れ去る未来が約束されている。
自己紹介でもある記事
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