書籍『独学大全』が届いた
2020年9月27日 自宅
独学ってね。
壁にぶち当たるのが宿命なのよ。
ひゃっほい。
予約していた本が届いた。ずっと、ずっと待っていた。書籍『独学大全』、Twitterやブログで知識をドカドカ流している読書猿さんの本だ。私も、いつもお世話になっている。その知識は大海のごとく幅広く、深海のように深い。もちろん、独学についても語られている。その独学についての知恵が書籍化された。読書猿さん のアカウントをフォローした日から、ずっと待っていた。
独学
「教室に通うより安い」「通信教育よりもお手軽」なんて、お気楽にオススメする文章を見かける。ふざけるなと言いたい。小学校に入学する前から独学だった生き物だった。そんな私からすれば、独学が最も難易度が高い。私に体力があったなら。独学を選ばず、ガンガン働いてお金を貯めて教室に通っていた。そう言い切れるぐらい、独学は難しい。
学校を休みに休んでいた。登校した日ですら、単位が危なくない授業時間は保健室のベッドで寝ていた。独学するしかなかった。だからこそ、独学を多くの人が失敗する理由がわかる。
まず、わからないが解決するまでの時間が長い。誰かに教わっているならば、その人に聞けばいい。共に学んでいる人たちに聞くのもいいだろう。独学にそんなものは一切ない。自分で探すしかないのだ。今はインターネットがあるので楽になったが、高校時代まではそんな便利なものはなかった。そして、図書館や本屋さんに行く体力も十分いない。家にお金がなかったので別の本を手に入れる術もない。教科書を繰り返し読んで、ひたすら理解できるまで考えるしかなかった。人に聞けば3分で解決することに、何時間もかかったりする。何日もかかることだって珍しくなかった。
そして、最も大変なのが自己管理だ。試験日以外に締切がない。医師認定の貧弱体質だったので、宿題は免除に近かった。つまり、勉強しなくても誰も責めない。落第点をとったとしても「体が弱いから仕方ないね」と許されただろう。頑張らなくてもいい環境で自らを勉強に向かわせる。この大変さはダイエットに近いものがあった。「今日ぐらいはいいよね」は禁断の罠である。
そんなこんなで、独学するしかない状況でも幾度も壁に阻まれた。おまけに貧弱な身体と複雑な家庭環境のハンデも背負っていた。なんとか留年を一度もせずに高校卒業までたどり着いたが、もう一度挑戦して成功する自信はない。
これまでで独学の大変さを知っているのに。現状は独学しか選ぶ道がない。結果的に30年以上も独学生活だが、今でも困ることは少なくない。そこに強力な味方として現れてくれたのが書籍『独学大全』だ。 その本の厚さは867ページ、すごく頼もしい。これまでも読書猿さんの投稿には助けられていた。その知恵が手元に来る。これほど有り難い話はない。
同じように待っていた人は多いようで、Twitter上で喜びの声があふれていた。うん、そのお気持ちに同意しかできない。書籍『独学大全』は、ゲームの説明書かつ攻略本のようなものだ。説明書もなく、攻略本もなく、ゲームクリアを目指す。それが、通常の独学だ。クリア方法が探せば見つかる。この安心感は言葉にならない。
皆さまの反応を眺めていて笑ってしまった。完読派と辞書派に分かれている。著者である読書猿さんは、辞書のような使い方をまず勧めている。読み切れずに挫折、独学をする心が折れるのを心配されているようだ。書き手としては、全部読んでほしいが本音だろうに。優しい方だ。
私?
もちろん、完読しますが。
それどころか、繰り返す読み込む予定しかない。
活字中毒にとって、分厚い本はただの好物だ。
むしろ、厚みがある方が燃える。
私の感覚だと1冊に収まるうちは厚くない。
つまり、書籍『独学大全』は分厚い本に入らない。
一般とズレている自覚はある。
読むのが得意じゃない人には、私も辞書的な使い方がいいと思う。
800ページ超えなので読み切るのは1日では無理だろう。それが、とても嬉しい。パラパラと眺めてみたら、知らなかった方法がいくつか目に飛び込んできた。知らない知識ほど喜ばしいものはない。知らない場所がわかれば埋めることができる。書籍『独学大全』を理解できる部分が増えるほど、確実に独学スキルは上がる。
その日に想いをはせながら、表紙をめくった。
まったく知らない山奥に
地図もないまま放り込まれる。
その状況で
山頂にたどり着けと言われる。
それが、独学だ。
自己紹介でもある記事
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