言葉だけでは足りない
2020年9月30日 自宅
頭の中で完結
できれば、楽なのにね。
私は文章が好きだ。なので、活字に浸っているような生活を続けている。それだけ読んでいても、どうにもならないことがある。
言葉だけでは深く理解できない。
文字を読むだけでは、どうしても著者の伝えたいことを受け止めきれない。それが、よく現れているのが短い言葉だ。四字熟語、ことわざ、名言など、短く単純に思える言葉ほど理解するのは難しい。
「兵は迅速を尊ぶ(へいはじんそくをたっとぶ)」という言葉がある。これは、早く動きなさいという意味だ。この言葉が『孫氏の兵法』からの出典だと知っていれば、敵に行動を邪魔されるのを防ぐとか、敵が守りを固める前に攻撃することでダメージを大きくするとか、早く動く狙いがみえてくる。これに似た実体験、例えば告白するのが遅くて両片思いだった相手が別の人と付き合いだしたなどがあれば、早く動く大切さがよく理解できる。
言葉の意味を知っただけなら、「ふ~ん」で終わりだ。それが実体験につながることで、「素早く行動しないとダメなんだ」と頭に刻まれる。ここまで理解できれば、言葉の意味を忘れることなく使いこなすこともできる。
ことわざの学習マンガの本が2冊、四字熟語の本が1冊、うちにあった。幼稚園の頃から繰り返し読んでいたが、その意味をきちんと理解できたのは修羅場を味わった後だった。繰り返し読んだ回数は100を超えるが、実際に似た体験をするまで真の意味は理解できていなかった。
そういう体験がいくつもある。だからこそ、読んでいいと思った内容は行動に移す。言葉が頭の中にあるうちは身についていない。あくまで、わかったつもりだ。頭の外に出すことで、はじめてその実態がみえてくる。理解が深まるだけでなく、その周りの知識も増えたりする。
ただ、大きく試すのはオススメしない。物語に感動、似た場面が職場で発生、主人公と同じ行動をとったら大失敗、なんて話はいくらでもある。せめて、最初の1回ぐらいは慎重に動きたい。ちょっと試し、微調整、また試して微調整、気慣れた服のように自分になじむまでは調整あるのみだ。
そんなわけで、
やってみるリストは増える一方だ。
暇だと感じた日は、これまでの人生で一度もない。
「この本、こんなにいい内容だったの?」
本はまったく変わっていない。
変わったのは、読み手の理解力だ。
自己紹介でもある記事
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