食べるって、重労働なんだな
2020年10月9日 自宅
意識すらしなかった。
そういうものほど、ダメージがでかい。
久しぶりに、固形物を1日3回ほど食せた。
昨日まではコホコホと咳がひどくて、ロクに食事もできなかった。咳により喉と胃に痛恨のダメージ、1日1回ほど食事をとるのが精一杯だった。あまりに咳による体の揺れがひどくて、肋骨やわき腹まで痛い。それにつられて子宮の痛みが悪化、腸までおかしくなった。ここしばらくは、カロリーがある飲料で生命をつないでいた。甘めのココアやレモンティーに甘酒などで摂れないカロリーを補っていた。スポーツドリンクを飲めれば楽なのだが、私は添加物との相性がすごく悪い。出歩ける体調の時は問題ないが、このフラフラ状態だとアレルギーによるじんましんが出る可能性が高い。息苦しい、痛いだけでも大変なのに。かゆいが追加されたらトドメになる。
太っているのに、カロリーを補う必要があるのか?
ちょっと考えたが、衰弱するのでダメだ。病気に打ち勝つ体力が足りないのに。脂肪燃焼でエネルギー消費を増やしたら、また血液検査の結果が悪化する。医師にも「体が安定するまでは炭水化物をガッツリ削るような食事制限はしないように」と釘を刺されている。精神科と内科の両方で言われた。おまけに、産婦人科で「栄養剤に頼らず、もっとしっかり食べないさい」と怖い顔をされて間もない。体重の減少に心惹かれながらも、甘いドリンクをちみちみ飲んでいた。
そんな生活から、やっと脱出できた。
それなのに。
あごがだるい。
胃がむかむかする。
お腹が重だるい。
意識がぼへーっとする。
食事をするだけで、体がヘロヘロになった。
なんなんだ、これは。
いや、寝たきりの時に思い知ってはいた。動かなくなるとすぐに筋力は落ちる。筋力が衰えてしまうと、座っているだけでも冷や汗が噴き出すほど動けなくなる。それが、あごの動きや内臓にまで当てはまるなんて。多少のしんどさは覚悟していたが。ここまで衰えるのは予想していなかった。
話すときは口を動かす。
内臓は水を飲むだけでも動く。
寝たきりの時にほとんど動かさなかった足腰と違って、口周りや内臓周りの筋肉は意識しなくても動かされている。使われている筋肉が自覚できるほど衰えるなんて思っていなかった。もしかして。
食べるというのは、体にとって特別な動きなのだろうか。
水を飲む。
固形物を噛む。
そこまで大きな差はないと感じていた。だが、今の私はすごく疲れている。体調は先日までよりは良いのに。食事の回数を1回から3回に増やしただけで、全身がぐったりしている。飲む行為と食べる行為の負担が同じなら、こんな結果が出るはずがない。
これを、歩行に例えたとすると。どちらも歩くことだとしても、周りを眺めながらのんびり歩くか、汗が噴き出すほど早歩きするか。消費カロリーが倍以上違うほど体にかかる負荷に差があるのかもしれない、飲む行為と食べる行為には。
何気なく行っていた食べるという行いは
弱った体には重労働だったのか。
身をもって、よく理解できた。
理解したくなかったが。
対策がわかっているのがせめてもの救いだ。寝たきり後の対応と方針は同じでよさそうだ。毎日座って訓練したように、固形物を食べる機会を増やせばいい。どれだけしんどくても、少量でいいから1日3回は食事をする。それだけでも、口周りの筋肉と内臓を衰えをゆるやかにすることができるだろう。
ちょっと、怖いことに気づいた。
さらに体調が悪化して入院、栄養補給が点滴になっていたとしたら。
話したり、水を飲むだけでもゼーヒーするほど弱るのでは。
い・や・だ。
喉がどれほど痛かったとしても。
吐き気でお腹が空かなかったとしても。
口に固形物をツッコむ。
新たな誓いがまたひとつ増えた。
動かなくなると、
体は錆びついていく。
防ぐ方法はただひとつ、
絶えまなく動き続けることだけだ。
自己紹介でもある記事
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