生活の基本は幼稚園
2020年10月23日 病院
これは。
すごく懐かしいセリフだ。
子宮がん検査の結果を受け取るため、産婦人科に向かった。待合室で座って30分後、自分の順番が回ってきた。結果は、現状はがんは見つからなかった。子宮に異常はあるが、とりあえずは様子見だ。すごく、ホッとした。それは良かったのだが。
また、こんこんとお説教である。
「無理しない」
「我慢しない」
「しっかり食べる」
貧血の人に渡す生活指導パンフレットまでもらってしまった。あれ? 今日は検査結果を聞くだけのはずだったのに。そんなに、私の顔色とかまずいですか。なにも医師と看護師がタッグを組まなくてもいいじゃないですか。まだ、待合室には妊娠中の大事な体な方々が待っておられますよ。
逃がしてプリーズ
立ち去るのに15分もかかった。がんが見つからなかった喜びよりも、やっと解放されたという安心感が強い。なにせ、相手は検査結果とかこれまでの病歴とかのリストを持っている。実際のデータに基づいた言葉からは逃げようがない。ツライ。
ただ、この感覚がどこか懐かしい。
あれだ。
似たような言葉を目にしたことがある。
何度も繰り返し。
一番最初の記憶は幼稚園だ。卒業時に配られた成績表のようなものだったか。保育士さんの丸っこい字で書かれた気がする。『健康に気をつけて』という意味の言葉なら、幼稚園・小学校・中学校・高校と、すべての成績表で皆勤だ。
形としては残っていないが。本日の診察室での言葉の多くは、幼い頃から言われ続けてきた。よく会う医師や看護師には、顔を出す度にいつも一言あった気がする。そうすると、私は常に倒れそうな姿なのか。ほとんどの人には「病人には見えない」とか、「元気そうに見える」とかコメントされるのに。医療のプロはすごいんだな。
それにしても。
昔から、言われることが変わらないということは。
健康を保つ生活
このために必要なことは、幼稚園で教わっていたんだな。私のように病院の常連じゃなくても。「食事の前に手を洗う」も、「部屋に入ったら、うがい」も、はじめて教わったのは幼稚園だった。世の中に溢れている健康にいい方法を追うよりも、幼い頃に教わったことを毎日欠かさず続ける方が確実なんじゃないか。
人は新しいもの好きで、流行のものにすぐ飛びついてしまうが。目新しさのない、地味な行動の方が結果的には有効だったりする。大昔に、『二日酔い対策にはウコンがいい』と流行ったことがある。私は思った。『飲みすぎなければいいのに』、押しつけの飲酒が非常識になったのは誠に喜ばしい。お酒で命を失うなんて、あまりにもったいない。
体を守る基本は、たいてい地味なものだ。
身をもって知っている。
わかっているので、
重々にわかっているので。
「お説教は結構です」
言いたくても言えないセリフ
これもまた、幼い頃から変わらぬ感覚だ。
自己紹介でもある記事
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