歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【病院スクランブル】心の遊び場に飛び込め

心の遊び場に飛び込め

 

2019年4月24日 自宅

 

高学歴だったとしても、人生トラブルは回避できない。病気にもなる。人に騙される。破産することだってある。外出できるようになってから、多くの人に出会った。その出会いで学んだ。肩書きは、食品ラベルのようなものだ。公表すると決められた事しかわからない。国が表示義務としている以外の添加物が入っているかどうか、味が自分の口にあうかどうか。食品ラベルだけではわからない。舌で味わい、食後の身体の反応でやっとわかる。学歴は、知識を中心に表示したものだ。人格も幸福度も示されていない。生涯学習の時代になった今では、知識の保証にもならない。

 

「いい思いをしているのだろうな」他人の住んでいる世界は、自分の住んでいる世界よりも輝かしく見える。これは仕方がない。自分の世界を他人に説明する場合、いいところを強調して伝えることが多い。この強がりは、世間の評価が高い世界にいる人ほど強くなる。本当は嫌なところがあったとしても言い辛い。幸せそうに演出していた有名人が、突然自殺したり麻薬で逮捕されたりする。その原因は弱音を吐き出せずに、追い詰められるからだ。学歴も、このパターンに当てはまる。

 

だいたい学歴も含め、肩書きが変わった瞬間に周りの対応は変わる。本人は何も変わっていなくても、まったく関係ない。私は3度、体験した。両親が離婚したとき、将棋で全国大会に出場したとき、一部上場企業に就職したときだ。離婚が増え始めたタイミングだったので、学校でも親戚の集まりでも色々言われた。全国大会出場後は、いじめようとしていた人間が視界から消えた。就職が決まったと報告した、その日から周りに人が増えた。人形劇のように瞬く間に変わる態度に、心が冷え切った。

 

そんな私の支えは、物語の世界だった。そこだけは、何も変わらない。変わらない世界が、とてもありがたく楽しかった。友人ができたあの日まで、死と生の間に踏みとどまれたのは物語のおかげである。その後、自分がなんであれ態度が変わらない人たちに出会えた。とても息がしやすい世界だ。

 

学校も職場も、小さな劇場だ。家族との生活ですら、この世に存在する劇の一部でしかない。世界中を旅する人ですら、一生かけても全ての劇に登場することはできない。自分が演ずる劇よりも、世界は広い。今いる劇場で望む役を与えられないなら、別の劇場に移ればいいだけだ。劇場の掛け持ちだって、一人芝居だって出来る。個人的なオススメは、学歴をはじめとした肩書きラベルのはがれかけた劇場だ。ラベルがないわけではないけれど、目を凝らさないと見えないほど存在感がない。他でどれほど不運な役を演じるハメになっても、笑顔で遊ぶ子どもたちのように心が明るくなれる劇場がひとつでもあれば舞台に留まれる。すべての劇場から退場するのは、寿命が来たときだけでいい。

 

美味しいワインも保存を間違えれば、100円ワインよりまずい。

 

<<2019年4月25日に続く>>

 

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