どんな事実も必要なのか?
2019年6月26日 自宅
「鈍感になりたい」
周囲の顔色をうかがう。緊張感あふれる生活を幼児の頃からしていたせいか、人の感情の動きには勘が働く。おかげで知らなくていいことに気づいてしまう。初対面の席で根の深い因縁を察したり、恋のバトルを感じても嬉しくない。ピエロの人格が頑張ってくれるので表面上はにこやかを保てる。本性に近い人格はココロの中でプルプル震えている。それなのに、探偵タイプの人格がエグい秘密を見つけてくる。ネタが増えたと喜ぶ字書きタイプの人格、顔に浮かぶ穏やかさとは違い脳内は阿鼻叫喚だ。ツカレル。
インターネットの普及が変えたもの、そのひとつが事実が広まる早さだ。そのためか、『事実を公開せよ』という圧力が高まった。これまでの隠蔽がひどすぎたので要求したい気持ちはお察しする。だが、なんでも出せばいいってものじゃない。海中に沈めた方がいい事実も存在する、個人レベルでは特に。
事実は甘くはない。後悔するような現実を突きつけられる。哀しみと怒り、そして憎悪を掻き立てるものも少なくない。それでも事実を見つめる必要がある、とは言い切れない。
『知りたくなかった』
そんな事実に数え切れないほど出会った。その中に「一生、知る必要はなかったのでは?」と今でも感じるものがある。
可愛がってくれた叔父が私が生まれるのを嫌がって、
妊娠中の母の膨らんだお腹を蹴った。
母が父の親戚に嫌われていて、
大阪に親子3人で移るハメになった。
どれも小学生時代に知った事実である。
なぜ知っているか?
子供にわざわざ教える、とても親切な大人がいた。
実際に言われた内容はもっと詳細で、思い出したくないような事実は他にもいくつかある。私が陰口を言わないのは、このとき受けたショックが原因だろう。それでも、聞きたくない事実を教えた相手に感謝の気持ちは抱きたくない。
事実は痛みを伴う。「なぜ知ってしまったのか?」と悔いるパターンがほとんどだ。それでも前に進むためには、事実から目を逸らせない。けれども、どんな事実も表に出せばいいわけではない。脳の金庫にしまい込んで、生涯、日に当てない。それがふさわしい事実も世の中には存在する。ちなみに、私の金庫は銀行並みである。
誰も幸せにならない
触れるべきでない事実もある。
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