損切りは予備プランとセット
2019年8月11日 自宅
うん、どう頑張っても終わりそうにない。今日中にテキストを全部読み切って3周目に入りたかったが、無理をして体調を崩したら学習スピードがもっと遅れる。あと1章を読み込んだら寝よう。予備日は設定してあるので、2~3日分の学習が遅れても取り戻せる。できそうな量の半分で予定を組む。目標達成のコツだ。
物事が予定通りになることはまずない。急なトラブルやイベント、体調不良や作業が遅れるなどイレギュラーが起こり、予想からズレていく。これは時間管理だけでなく、学習計画や財産管理でも基本は同じだ。
金融用語に”損切り”という言葉がある。損害が大きくなる前に損をしていても取引を終了する、という意味だ。例えば、株を一万円で買ったとする。株価が下がり8,000円になった。ここで売ると2,000円の損だが、ここで売らなければ株価は更に下がり5,000円になりそうだ。5,000円の損に比べれば2,000円の損の方がマシだ。だから、1万円で買った株を8,000円で売る。これが損切りだ。
ほとんどの人は損切りした方がいいと分かっていても、できずに傷口を広げる。「もしかしたら株価が戻るかもしれない」との誘惑に負け、いつまでも損切りする決断ができない。少なくとも、株は売るか上場廃止になるまでは損が確定しない。だから、何もせず見守ってしまう。その結果は、株で稼ぐ人の少なさが物語っている。
これは金融の世界の話だけじゃない。時間管理も体調管理も似たパターンに陥る。
「徹夜をすれば間に合う」
「頑張れば追いつける」
「少しぐらい無理をしても大丈夫」
なんとか予定通りに済まそうと無謀な挑戦をする。そんな都合のいい話はない。1日の持ち時間は24時間、この原則は変わらない。睡眠や食事をキッチリ取らずに動き続けられるほど、人間は頑丈でもない。手元にあるお金がいきなり増えるはずもない。
だからこそ、最初からうまくいかない場合を計算に入れておく。時間管理ならば予備日を作る。財産管理なら予備費を組み込む。学習計画なら試験1ヶ月前が空くような計画にする。すべて思い通りにいくと想定して作るから苦しむハメになる。
”諦め”と言う名の損切りができるのも、うまくいかない場合の予備プランがあるからこそ実行できる。損切りができない人は、自分にとって都合のいいことばかりが起こると期待している人だ。「自分の予測が外れていたと認めたくない」という感情を抑え、「早く修正するほど目標に近づく」という心意気で微調整する。想定外を当たり前と思う癖が身につけば、手のつけられない事態になることは防げる。
世の中は想定外の連続だ。
これは、個人も組織も変わらない。
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