第49回 発言
2019年3月5日 映画館
映画『翔んで埼玉』を観た。2回目なのに、今回も観ている最中に爆笑してしまった。私以外も声を出して笑っていたので、多分セーフだろう。
日本では、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の応援上映のように「声を出していいですよ」と決まっていない限り、上映中に周りに聞こえるような声は出さない。ドリンクを飲む音も、ポップコーンを食べる音も控えめだ。
それなのに『翔んで埼玉』では、開始15分以内に誰かが笑い声を漏らす。そうなったら、もうおしまいである。一気に、笑い声が増える。エンディングのはなわさんの歌のときには、声を上げてない人はいない。もはや、誰がはじめに笑い出すかのタイムアタックでしかない。
”誰かが先陣を切れば、後に人が続く”
これは『翔んで埼玉』だけの出来事ではない。
授業中の「答えが分かる人は手を挙げてください」
合同面接の「ご質問はありますか?」
会議中の「意見を出してください」
誰かが口を開けば、他の人も喋りだす。だが誰も話さないと、深夜にひとり家にいるような静けさと、テストで赤点をとった気まずさを同時に味わう空間になる。
最初に話すのは、勇気がいる。だが、これはチャンスなのだ。司会や先生、主催者がもっと苦悩するのが”質問タイム”だ。ここが盛り上がるか、沈黙に支配されるかですべてが決まってしまう。6時間のイベントで5時間半が素晴らしくても、最後30分の質問コーナーがイマイチだと、参加者の感想アンケートの評価もグダグダである。
ここで率先して手を挙げれば、主催者だけでなく参加しているすべての人に、顔と名前を覚えてもらえる可能性が上がる。人脈を増やすのに、むりやり飲み会に行く必要はなくなる。もし覚えられなかったとしても、得るものがある。
理解力と質問力
参加するゼミやイベントで、毎回1番に質問しようと思えば準備が必要である。そして参加中は頭を回し、質問を考えなければならない。これが””理解力と質問力”を格段に上げてくれる。
私は投資した分の時間とお金と体力は、必ず回収する主義である。同時に、主催者に「あなたが参加してくれて、いい時間になったよ」と思ってもらえるよう人物でありたいと思っている。
この両方を叶える手段が、私にとって「真っ先に質問する」という態度だ。これまでの主催者の反応から察するに、思惑は成功しているようである。
うまく質問できなかったり、的はずれな意見を言ってしまうこともある。恥ずかしい思いをすることも、何度だってあった。だが、これも慣れである。最初は赤面と冷や汗がセットだったが、10回を超えれば間違いも気にしなくなった。こちらが失敗しても、しなくても主催者の反応は大きく変わらなかったからだ。
話題が広がる質問や、的を射た意見を言ったほうが評価は上がる。だが、もっと大事なことがある。積極的に参加する姿勢だ。自分が素晴らしい発言ができなくても、他の人が最高の発言をすれば成功である。大切なのは、場が盛り上がるきっかけになることだ。
どんな状況でも、真っ先に行動する人間は得るものが大きい。”発言”も同じである。
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