歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【病院スクランブル】映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に世の不思議をみる

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に世の不思議をみる

 

2019年6月13日 映画館

 

父に誘われて映画を楽しむ。3Dバージョンと音がいいバージョン、どちらの劇場にするか悩んだ。説明を読んだ末に音がいい方を選んだ。理由は父の健康問題だ。3Dの説明を読むと座席が揺れると書いてある。つまり、椅子に電気が流れている。父の身体には心臓病対策のペースメーカーが入っているので、強い磁気は誤作動の可能性がある。椅子を動かす程度なので問題はないと思うが、念の為に避けた。結果的に身体に響くオーケストラのような音を味わえた。足音に至るまで監督のこだわりを感じるいい作品だった。

 

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の主役は怪獣だ。人間は付け合わせのポテトである。意外性はなく王道の展開が続く、ある例外を除いては。

 

人の行動がほとんど裏目

 

良かれと思った行動が、ことごとく失敗する。何もしない方がマシだった、そんな展開ばかりだ。そして、考えなしの行動が多くの人を救ったりする。「無計画で流されて生きると幸せになれる」と思いかねないほど理不尽の嵐だ。怪獣の1体ですら手に負えず、人はあらゆる暴威に振り回されて終わる。この作品はきっと、伝えたかったのだろう。

 

驕るな

 

『自然を意のままに操ることなど不可能だ』

『たった人間1人の意思ですら、自由にすることはできない』

 

理性や計算だけで全てがうまくいく、という思想を暗に否定していた。確かに、大規模災害は現代の技術でも止めようがない。出来ることは被害を減らすぐらいだ。野菜が育つメカニズムですら根本的にはわからない。未だに自然の恵みにお任せだ。人間の体や心についても全容解明は先が見えない。人はまだ自然の不思議の1%もマネることすら叶わない。だからこそ、面白い。

 

ある意味、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は環境と科学の限界についての教科書だった。人間の混乱ぶりにも目を向ければ、心理学の教本でもあった。ゴジラ誕生の経緯を振り返れば納得の展開ではある。表面上は怪獣大暴れの子供心を刺激する特撮映画だが、よくよく考えると随分と皮肉だらけの作品だ。ブラックジョーク好きの私にとっては楽しめる物語だった。鑑賞の仕方がひねくれている自覚はある。

 

ユーモアは

最高の批判方法だ。

 

なぜならば

堅苦しく語りかけるよりも

耳を傾けてくれる相手が圧倒的に多いからだ。。

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ Blu-ray2枚組

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