優雅なおひとりさま生活のために
２０１９年８月１３日 自宅
私はおひとりさまバンザイ派だ。他人との交流は嫌いではないが、すべての放り投げてダラダラする時間が大好きだ。私の愛する対象は物語だ。物語さえあれば、３ヶ月ほど誰とも話さなくても平気なのは体験済みだ。ボッチ時間が長いと、とっさに言葉が出てこないなど会話のスキルが下がる。だが、それ以外は特に問題はなかった。生まれたときから虚弱体質なので、外出ができなくても苦痛じゃない。ボッチ向きなステータスだ。
「一人暮らしの人は寿命が短い」
「ストレス軽減に家族が効果的だ」
「話し相手がいないと楽しい時間が過ごせない」
昔の心理学の本を読むと、孤独のデメリットを強く主張している。しかし、最近の調査では流れは変わってきている。『一人でも楽しく暮らせる』とのデータが次々と発表されている。
どんなものにも、メリットとデメリットがある。おひとりさま最大のメリットは自由だ。どう時間を過ごそうと、どんなお金の使い方をしようと文句を言う人はいない。デメリットは安定がないことだ。病気になっても看病してくれる人はいない。悩みを打ち明ける相手も、人生トラブルのときに手助けしてくれる人もいない。
おひとりさま生活を満喫しようと思うなら、家族がいる人以上に最悪を想定する必要がある。おひとりさまの楽しさに浸るのはいいが、セーフティーネットをはることを忘れると笑えない事態になる。最低でも健康、お金、交流の３つの備えが必要だ。
最も需要なのは健康管理だ。孤独死は衰弱死も多いが、心臓病などの発作で死亡も多い。しかも高齢者だけでなく、若い人の孤独死も増えてきている。どれほど体調が悪くても、ご飯も着替えも薬も自分で用意しなければいけない。発作中なら、どれほど苦しくても救急車を自力で呼ばなければアウトだ。日頃の健康管理だけでなく、体調不良時の準備も必須である。
次にお金だ。これは快適さとトラブルの要だ。おひとりさまは暇ではない。家事の時間をどれだけ短縮できるかが快適さに直結する。乾燥まで自動の洗濯機、食器洗い洗浄機、自動調理器などのお助けアイテムがあれば時間を節約できる。
トラブル時にお金がないと悲惨だ。金銭や法律のトラブルに巻き込まれても、自分が専門家でない限り対処ができない。弁護士などに助けを求めることになるが相談料がかかる。病気で倒れたら、その間の収入をどうするのか？ 真剣に考えておかないと、家賃が払えなくなり住所を失うハメになる。そうなれば、仕事探しも難しくなり行政の助けも受けにくくなる。
最後の交流、これはおひとりさまに反するようだが外せない。犯罪に巻き込まれたり、不運が重なり命を落としたとする。その時に早く発見されるかどうかは、周囲との付き合いに懸かっている。
マンションの一室で、ある青年が白骨死体で発見された。
発見までに３年も懸かった。
なぜか？
預金口座に余裕が有り、
しっかりした部屋で死臭がもれることもなく
人との交流がなかったためだ。
お金があることが毎回、いい結果を生むわけじゃない。この事件の場合は、もし預金口座にお金がなかったら管理人が部屋を調べに来ていただろう。もっと安い部屋なら、臭いがもれて周囲に異常を知らせていただろう。亡くなったときの姿を気にしない人以外は、考えておきたいポイントだ。
優雅なおひとりさま生活を過ごそうと思うなら、水面下でバタ足をしている白鳥のように努力がいる。健康を気づかう生活、１年は働かなくても困らない貯金か手を動かさなくても入る収入源の確保、そして「あの人、最近見ないわね」「ちょっと様子を見に行こうか」と言われる付き合いが最低条件だ。
この３つの条件よりも、実はもっと大事なことがある。これがなければ、健康で余裕のある資産を持ち、定期的な人との交流があっても、おひとりさまは無理だ。
『孤独を楽しむ心』
これがない人は、おひとりさまに耐えられなくなる。喫茶店やバー、映画館で一人で行けない。誰かがいないと落ち着かない。一人だと何も決められない。そういう人は一人暮らしでさえ危うい。「大丈夫」と言う人でも、部屋がシーンとする時間を喜べなければ３年以内に精神が乱れてくる。
一人暮らしでも、外で多くの人と過ごす時間がないと嫌な人はおひとりさま向きではない。一人暮らしができる＝おひとりさま、これは間違いだ。正確には、『一人暮らしができない人はおひとりさまにはなれない』だ。
自由と安定は両立しない。自由をとれば安定は揺らぐ。安定をとれば自由が制限される。おひとりさまを末永く楽しみたいなら、薄れる安定を自分で補うのは当然だ。しっかり準備をした上で、ステキなおひとりさまライフを過ごしてほしい。
一人暮らしはスキルであり、
おひとりさまは心意気だ。
↓ ランキングに参加中です。
にほんブログ村