体力もお金で買える
2019年10月30日 自宅
「とてもバスとは思えなかった」
はじめて、高速バスのデラックス席に乗った時の感想だ。
東京と大阪をよく往復する友人がいる。その友人は時間に余裕があるので、いつも高速バスを利用している。その友人にデラックス席の良さをいきなり力説された。
高速バスのデラックス席はチケット代は1万円超えで通常席の2倍の代金だが、とても座り心地が良く広い。特に東京大阪間は10時間ほどかかる。夜行バスを利用する友人にとっては、寝心地の違いだと言っていい。床に雑魚寝とベッドで寝るぐらいの違いはありそうだ。「もう、普通席には戻れない」と宣言された。なぜ、半引きこもりの私に言うのか。とても疑問である。
友人の話であることを思った。お金で体力も買えるのだな、と。最近は『時間をお金で買う』という言葉をよく見かける。お金で買えるものはとても多い。
私のようにほとんど家にいる生き物でも、体力をお金で買っている。むしろ元気な人以上に購入する機会が多い。
たとえば、トイレットペーパーだ。私の筋力では、3分以上は12個入りを持てない。もしムリヤリ持ったとしても、その日のうちに筋肉痛と関節痛のコンボが襲ってくる。だから、いつも通販で購入する。近所のスーパーで購入するより割高だとしても、体調を崩して寝込むことを考えれば安い。
ここで、気づいた。時間と体力は密接に関係している。私がトイレットペーパーを通販で購入する理由は、体力の温存だ。それは、同時に買い物時間を節約している。普段着に着替え、階段を降り、スーパーに向かう。トイレットペーパーを購入後、帰宅して、手洗いうがい後にパジャマに着替える。最速でも40分はかかる。
以前に新幹線のグリーン席に乗ったことがある。乗り心地がいいので、体力を温存できた。振り返ると、それだけではなかった。乗り降りをする場所が、エスカレーターやエレベーターに近い。到着前に添乗員さんがごみを回収に来てくれる。移動とごみ捨ての時間が節約されている。車内販売の回数も多く、前もって食べ物や飲み物を購入しておく必要もない。同じ列車でも、グリーン席の方が普通席よりも時間と体力が節約できる。
利用しない人には「無駄な出費だ」と感じるものは多いだろう。健康な人はスーパーに買い物に行くだろう。移動する距離は同じなのに割高な席は、贅沢に感じるかもしれない。だが、その割高なモノやサービスを喜んで購入する人がいる。ちなみに病人の体力は量が少なく、回復が遅い。100円玉の大きさのあざが治るのに、3か月かかった時は笑うしかなかった。貧弱体質には、体力はお金以上に貴重なのだ。
体力の価値は健康度で大きく変わる。
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