歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

『病院スクランブル』 第8回 個人差

 

第8回 個人差

 

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2019年2月26日 自宅

 

副作用を耐える覚悟を決めた。

 

悩んでいる最中はもやもやするが

決めてしまえばスッキリする。

 

鉄分とビタミンB群の錠剤を受け取り

自宅に帰った。



家に帰ると

あるものが目についた。

 

コーヒー

 

悲しい事実に気付いた。

 

タンニンが鉄分の吸収を邪魔するなら

コーヒーを飲めないじゃないか

 

少なくとも、

隠れ貧血状態の間は

 

副作用を知った時よりも

衝撃だった。

 

私はコーヒーが好きだ。

お茶も紅茶も好きだ。

お酒だって大好きだ。

 

しばらくは

どれも我慢しなければいけないなんて

 

このやり場のない気持ちを

どうしてくれよう

 

私はPちゃんに連絡した。

 

別に感情の

はけ口にする気はない。

 

いや、正直に言おう。

50%はグチりたかった。

 

だが、残りの50%は

Pちゃんが心配になったのだ。

 

Pちゃんも

病人かつコーヒー好きなので

伝えたかった。

 

『鉄分をとりたい時は

 コーヒーは控えて』

 

Pちゃんはびっくりしていた。

そして落ち込んだ。

 

なぜなら、紅茶党だった私を

体にいいからと珈琲党に変えたのは

Pちゃんだったからだ。

 

「自分のせいで身体を悪くした」

とまで言い出した。

 

そんなはずはない。

 

健康な人なら問題なかった

 

生まれつき身体が弱く

8歳から15歳まで貧困を味わった

 

そのせいで

内臓も血管も

未成熟で弱っていた

 

それが原因だ。

 

Pちゃんを勇気づけるハメになった。

 

励ましているうちに、

コーヒーを飲めない悲しみが

どこかに消えた。

 

結果、オーライである。

 

心は晴れたが

体は疲れていた。

 

今日は早く、休もう

 

寝る寸前、鉄分の錠剤に「頼むよ」と

願かけして飲みこんだ。

 

明日の朝が

怖くもあり、楽しみでもある。

 

ドキドキしながら

ベッドに横になった。

 

 

この日、Pちゃんにした話が

間違いだったとは、思ってもいなかった。

 

 

≪2019年2月27日に続く≫

 

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