信じられる人に出会うには?
2019年4月12日 自宅
生まれてから、本音を話せるまでに16年かかった。記憶にある限り、友人に弱音をこぼしたのが初だった。切れる寸前まで張った糸が、ほんの少し緩んだような感覚があったのを覚えている。その友人と直接会う機会は、今ではほとんどない。だが連絡先を消す日は、一生来ないだろう。
信じるにもランクがある。「仕事については大丈夫」「味方のうちは裏切らない」のような限定された信用と、どんな時でも信じられるのとでは違う。また信用できるからといって、信頼できるとは限らない。いい人だけど騙されやすいという場合、信じることはできても頼れはしない。人柄と頼りがいは、全く比例しない。性格は極悪だが、仕事は信頼できるタイプも存在する。
通常は信じられても、状況によって信じられない場合もある。他人を裏切らなければ、自分の大事な人を助けられないとする。その他人が自分だった場合は、裏切られる可能性が高い。大事にだって優先順位はある。
私にとって信じる人とは「裏切られてもいいと思える相手」だ。恩人でもある友人になら、騙されても利用されても受け入れる。好きな相手が同じだった時は、サクッと身をひいた。恋心よりも友人の想いの方が、比べるまでもなく重かった。苦しくないわけではなかったが、決断を後悔しなかった。
生まれてすぐに家族や幼馴染など、信じられる人に出会えた人は幸運だ。だが信じられる人格を持った人が身近にいなかった場合、たどり着くのは財を成すより難しい。心からの信頼関係を知らないので、どうしていいかわからないからだ。家庭環境が複雑だった子がコミュニケーション下手である最大の理由である。
解決策はひとつ、自分をさらすして交流するしかない。自転車に乗る過程のように、転びながら信頼関係の築き方を学ぶ。本で学べるのは技術のみだ。テクニックで営業成績を上げることはできても、気を許せる関係はつくれない。偽りの自分で相手は気を許しても、こちらは気が抜けない。偽りの自分を演じ続けるぐらいなら、一人でいる方がよっぽど楽だった。片方だけが気を許している関係は、心からの信頼関係とは言わない。
信じられる人に出会えるかどうかは運次第である。けれども、自分を偽っていれば一生出会えない。出会ったとしても、気づかぬうちにさよならである。疑って殻に閉じこもり続けていては、何も始まらない。本心をぶつけなければ、相手の本心はわからない。
鐘も力をこめて打たなければ、音は響かない。
<<2019年4月13日に続く>>
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