聞き役はグーグルマップのナビ
2019年12月3日 自宅
「どうすればいいと思う?」
待ってほしい。
子育ての経験はないのだが。
自分は話すのが得意じゃない。普通に会話している。その姿は着ぐるみでしかない。脳内はフル回転、心臓はバクバクしている。人格分裂により接客業のキャラができたので、だいぶ体力の消耗は減った。だが、元々の気質が変わらない。人の輪から離れて、庭のすみっこで草花を眺めていた。幼稚園の頃から、本質は何も変わっちゃいない。
それなのに、なぜか相談される。
しかも、いろんな問題を。
文章での交流なら、じっくり応じる時間がある。
けれども、会話には悩む時間がない。
どうしろというのだ。
まぁ、なんとかなってはいる。
私が答えを出す必要はないのだ。
すでに、相談する本人が答えを抱えている。
私はひとつの行為に集中すればいい。
聴く。
ただ、
相手が自らの答えに気づく
手助けをすればいい。
ここで注意点がある。ぼんやり聞けばいいわけじゃない。下手な聞き方をすると、相談相手との人間関係が崩壊する。場合によっては、あなたのせいでひどい目にあったと失敗の責任を押しつけられる。聴く、これは難易度の高いスキルだ。
うなずくタイミング
質問のかけ方
話の方向転換
相談者がみえていない、自分の本心に気づいてもらう。まず、ここにたどり着かなければ、問題の解決にはつながらない。これが第一歩であり、すべてだ。
本心がみえていない。これだけなら、まだ難易度は低い。厄介なのは、本人が目を逸らしている場合だ。自分に原因があったり、自分自身の嫌いな部分だった場合、認めたがらない。自分が心地よい結論を選びがちだ。そして、相談相手に自分の意見を肯定してもらいたがる。
相談は見せかけで、意見に同意してもらうのが目的の人がいる。絶対に、同意してはいけない。たいていの場合、トラブルに巻き込まれる。あなたがやれと言ったんだ、なんて自分に都合のいい記憶を作り出す。責任逃避タイプは、そう思ってるんですね。こんな風に受け流す。どれほど、同意を求めてきてもイエスとは言わない。
このように、相談は恐ろしい罠が潜んでいる。人は自分の非を認めたがらない。自分以外のせいにするチャンスを常に狙っている。自分の過ちや醜い部分を認められる人は少数派だ。自分をバカだと思える人は、むしろ賢い人が多い。
相手の中に答えがある。
この姿勢には、ふたつの意味がある。
ひとつは、人は自ら気づいたモノしか身につかない。
もうひとつは、トラブルを避けるためだ。
自分の意見は正しい。こう、思いたがるように脳のシステムができている。どれほど効率的な方法でも、納得しないと動けない。自ら答えを出してもらうことで、自分の意見だと感じてもらう。
そして、自分の意見は大事にしたくなる。このとき、相談相手は頭の中から消える。自分で思いついた考えだと認識が切り替わる。もし、トラブルが起きても自分の意見を受け入れなかった相手に怒りが向く。こちらはトラブルに巻き込まれない。腹黒い? 生きる知恵と言ってくれ。
あくまで相談者が主役だ。聞き役のこちらは補助でしかない。スマホアプリだとグーグルマップのナビだ。どうすれば、相談相手が望む場所にたどりつけるか。これを質問で検索して、わかりやすく示す。ただし、たどりつけなくても責任は取らない。これが、私の基本姿勢である。
たとえ、
答えがわかったとしても
口にしてはいけない。
相談者が依存してしまうからだ。
強すぎる依存は、誰にとっても不幸の種でしかない。
自己紹介でもある記事
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