歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】どっちの情報を選べばいいの?

どっちの情報を選べばいいの?

 

2019年11月28日 自宅

 

ダメだ。

また、家族の許可が下りない。

 今日もベッド暮らしのようだ。

 

仕方がないので、借りておいた本を読む。2冊とも、本の読み方について書かれた本だ。あれ? これは、読み方向上クイズを考えるヒントになるんじゃないか。うん、助けになりそうだ。図書館に行くまでもなかった。と、までは言わないが3日ぐらいは持ちそうだ。

 

読むだけなら、2冊でも1日かからない。だが、熟読なら時間がかかる。本を借りる前に、私は流し読みと拾い読みをする。それでは足りないと感じた本だけを借りる。だから、しょんぼりする中身ではない、はずだ。

 

 ちょっとした不安を心に抱きながら、ページをめくった。

 

うん、いい本だ。

どちらも得るところが多い、とてもいい本だ。

 

提案している内容は、まったく逆と言っていい。

だが、本への愛情はどちらも熱い。

 

1冊目の本、齋藤孝氏が書いた『超速読力』は一言でいえば、読み飛ばせと書いてある。作者が言いたいことは全体の20%に詰まっている。だから、そこを以外は読まなくていい。そして、三色ペンを利用して本に書きむことをすすめている。

 

2冊目の本、出口治明氏の『本の「使い方」1万冊を血肉にした方法』は逆だ。読み飛ばすなんて、とんでもない。最初から順番に、じっくりと読む。そして、書きこみはダメだ。書きこむと、覚えなくていいと安心して記憶力が落ちる。書かないことで、忘れるかもしれない緊張感を保つ。そして、中身を脳に刻みこめ派だ。

 

適当に選んだのに、まったく逆の主張の2冊の本を同じ日に読むことになるとは。これだから、図書館や書店で本を探すのは面白い。こういった不思議な偶然は、インターネットでは起きにくい。足を運んで探す利点だ。

 

さて、どちらの主張を利用するか。

別に悩むことはない。

両方を採用する。

 

どちらの主張も、間違ってはいない。重要なところが20%なのも、順番に読んだ方がいいのも正しい。書きこむことで覚えるのも、書かずに頭に叩き込むのも、脳科学の視点からみて正しい。ここで、無理にひとつだけ選ぼうとするから混乱する。 どちらも取り入れてしまえばいい。

 

私は本に書きこむことが、心理的にできない。貧困時代に自由に本を読めなかった。だから、どうにも本はきれいな状態で置いておきたい。書きこむのは教科書ぐらいだ。けれども、三色ボールペンでの情報整理は良さそうだ。ノートに情報をまとめる時に利用してみる。

 

最初から読むか、一部だけ読むか。これは本によるだろう。小説を飛ばし読みしたら、楽しみが台無しだ。逆に、料理本は必要な所だけ読む人が多いだろう。これは、『超速読力』でも書かれていた。本の種類によって、読み方を変えればいいだけだ。

 

人は唯一が大好きだ。なぜなら、一つに決めてしまえば楽だからだ。それ以上、頭を使わなくて済む。脳は省エネ体質だ。結論を一つに決めたがる。だが、世の中はそんなに単純じゃない。環境はコロコロ変わる。現代は変化が激しい。ひとつの結論にしがみついたら、とんでもない落とし穴にはまる。どれほど脳が面倒くさがっても、選べる方法をいくつも利用できる方が便利だ。

 

 今回、手にした2冊の本は、選べるカードをたくさん持つ大切さを改めて教えてくれた。こういう、メインテーマ以外の学びも深まる本は、いい本である証だ。まだ、多くの知恵が隠れていそうだ。さて、再読するか。

 

 ふと、殺気を感じた。

振り返ると、家族がいた。

なんか、朝より怖い。

 

「いい加減に寝ろ」

「はい」

 

本日の読書は、ここまでのようだ。

無念。

 

 

人はときに

必要のない選択をする時がある。

 

選ばないが正解、そんなときもある。

 

本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法

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  • 発売日: 2019/06/21
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超速読力 (ちくま新書)

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