歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】こんにちはって、どういう意味?

こんにちはって、どういう意味?

 

2019年11月29日 自宅

 

「こんにちは」

 

意味をわかって使っている人は、どれぐらい存在するのだろうか。

きっと、ほとんどの人は知らない。

 

今までの私と、同じように。

 

 

 さて、今日もベッド生活だ。昨日、一気に2冊ほど本を読んだ。結果、熱が上がった。そらみたことか、と家族にあきれられてしまった。笑ってない笑顔が怖かった。朝方には熱が下がったのだが、大事をとって寝転んでいる。今日は読む力から、少し離れた本を手に取った。

 

『日本のこころの教育』

 

元国語教師である境野勝悟先生が書いた本だ。禅の指導で有名な方でもある。『超訳般若心経』という作品が代表作だ。ご本人にお会いしたことがあるが、べらんめい口調の気さくなおじいさまだった。まさに禅そのもののような、常識破りな自由人だった。世間の国語教師のイメージから限りなく遠い。境野先生の講演会はいつも爆笑が巻き起こる。こういう方が学校の先生だったら、喜んで勉強する生徒だらけだろう。

 

ストレートでわかりやすい話をする境野先生が、高校生七百人に向けて二時間ほど話した内容をまとめた本、それが『日本のこころの教育』だ。読もう、読もうと思いながら後回しになっていた。今日は、この本に決めた。理由? なんとなくだ。

 

全部で200ページもない。

これなら、1時間はかからない。

家族の目を盗むにはちょうどいい。

 

おっと、

ぐずぐずしていると家族が帰ってくる。

それまでに読み切らなければ。

 

自分の体で入り口から本を隠しながら、

ページをめくった。

 

 

恥ずかしい。

言葉を知らない、自分が恥ずかしい。

普段、使う言葉の意味も知らずに生きてきたとは。

 

『日本のこころの教育』では、よく使われている日本語について、歴史を交えて語られていた。その中には、こんにちは、も含まれていた。この本を読むまで気づいていなかった。

 

なぜ、挨拶でこんにちはと言うのか?

こんにちは、この言葉は何をさしているのか?

気にしたことすらなかった。

 

字を書く生き物として、反省しかできない。

 

ちなみに、こんにちは、この言葉は太陽を表すらしい。夏目漱石氏の『坊ちゃん』のセリフにも登場するとある。学生時代に読書感想文まで書いたのに、見逃していた。恥ずかしさが倍増した。

 

どれほど、自分は言葉を適当に扱っていたのか。

何も言い訳ができない。

ただ、ひたすら恥ずかしい。

 

 帰ってきた家族に心配されるほど、しょんぼりと落ち込んでしまった。

 

どの言葉にも意味がある。特に日本語は、ひとつの言葉に多くの意味を持たせている言語だ。古代に使われた意味も、表には出てこないが消えたわけじゃやない。ひっそりと隠れているだけで、しっかりと残っている。読み方の研究をする前に、まず日本語について学ばなければ。

 

 基本の大切さを痛感する一日になった。

 

 言葉は民族の歴史そのものだ。

 多くの人の人生が、言葉には残されている。

 

日本のこころの教育

日本のこころの教育

  • 作者:境野 勝悟
  • 発売日: 2001/07/02
  • メディア: ハードカバー
 

 

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