フィッシングサイトに出会った
2019年12月28日 自宅
知人のブログを読むため、リンクをクリックした。
まったく見覚えのないサイトが目に映った。
『おめでとうございます!!!』
いきなり、お祝いのメッセージが飛び込んでくる。あなたは幸運だとか、プレゼントを差し上げるとか、メルアドを入力してくれとか書いてある。
これが、よく聞くフィッシングサイトか。
ゲームで中ボスに遭遇した時のように興奮する。騙されやすいリストに登録される気はない。だが、どんな技を使っているかは気になる。入力をせず、クリックもせず、スクロールのみで観察してみた。
なんだ、営業の基本テクニックじゃないか。
仕組みが理解できたので、サクッと閉じるボタンをクリックした。ついでに、TwitterとFacebookで感想を投稿した。フィッシングサイトよ、ネタをありがとう。
今回、出会ったフィッシングサイトは欲望を煽るタイプだった。多くの人が欲しがりそうな最新のスマートフォンをエサに、個人情報を集めようとしていた。なお、言うまでもないが名前・住所・電話番号・メルアドなどを送ってもスマートフォンは届かない。代わりに電話番号を変えたくなるほど、営業の電話がかかってくる。メールボックスも迷惑メールだらけになるだろう。
別のパターンで多いのは、恐怖に突き落とすタイプだ。読んだ人を不安にさせる言葉を書き連ね、『紹介の商品やサービスを試せば不安から逃れられますよ』なんて誘導して個人情報を集める。けれども、心が軽くなることはない。軽くなるのは、財布だけである。
お客さまの夢や希望を叶える。
または、安全や安心を提供する。
それが営業の目指すところだ。
こんな表現が、営業スキルの書籍には書かれている。あまりにぬるすぎる表現としか思えない。ハッキリ言えば、フィッシングサイトと基本路線は変わらない。欲望を満たす、不安を解消する、この2つが人を動かすコツだ。これは、別に悪いことではない。
誰かを助けたい。
お金が欲しい。
大切な人を喜ばせたい。
どれも欲望であることには変わりがない。
病気を治したい。
健康なままでいたい。
お金の心配をしたくない。
不安をなくしたいのも、当然の感情だ。
どれほど否定したところで、欲望も、不安も、頭から消え去ることはない。勘違いしている人が多いが、どれほどお金があっても関係ない。過去に億単位のお金を持っているのに、びくびくしながら生活している人と話したことがある。大事なのは考え方であって、銀行口座の数字ではないと実感できた出来事だ。
自分の欲望と不安を自覚すること
これが、騙されにくくなる王道である。
例えば、私は本・ゲーム・動画にめっぽう弱い。そして、健康に不安しかない。おまけに割引とか、お得とかいうワードが大好きだ。だから、自分ルールを2つ定めている。定価でほしいと思うモノしか購入しない。そして、厚生労働省と医療系の情報を読んでから健康系の商品やサービスに手を出す。この2つのルールを決めてからは、買い物で後悔することは減った。
騙しのテクニックは巧妙だ。騙しじゃなくても、世の中は欲望や不安をくすぐる情報に満ちている。無防備なままでは、振り回されてボロボロになってしまう。
だからといって、
修行僧のようにすべてを断つ人生がいいのだろうか?
それが、心から楽しめる人はいいと思う。
私は絶対に嫌だ。
本はいくらでも読みたい。
『刀剣乱舞』を毎日プレイしたい。
映画館で迫力ある映像を観たい。
煩悩だらけだが、止める気は欠片もない。
人生を思う存分に楽しむためにも、しっかりと自分の弱みを防いでおく。だいたい、騙されるなんて腹が立つじゃないか。私が「値段が割高、足元を見られてる。悔しい。でも、買っちゃう」、そんな風に許せるのは『刀剣乱舞』のグッズだけである。
感情を押さえつけようとすれば、
暴走するだけだ。
感情は受け入れるものだ。
対処を考えるのは、その後の話である。
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自己紹介でもある記事
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