なぜ、お金より命が大切にされるのか?
2020年1月26日 自宅
また語られている、
経済の悪化による死亡者の増加の問題が。
いつも不思議に思うことがある。
なぜ、誰も不思議に思わないのだろう?
お金 > 命
この公式のおかしさを。
学校では、命は何よりも大切だなんて教える。だが、現実に起こっていることは違う。お金が命よりも優先されている。もし、命が優先されているなら貧困も、飢餓も、戦争も、この世には存在しない。
不況で死亡者が増える。
だから、このセリフを否定する人はまずいない。
これは、お金の成り立ちを考えれば奇妙な話だ。
お金はそもそも、生活を便利にするために生まれたものだ。
大昔は、お互いが欲しいモノを交換していた。肉と野菜や魚と果物など、どれぞれが物を持ち寄って交換していた。だから、物々交換と呼ばれている。だが、問題が起こった。
「欲しいモノがない」
「持っているものが使えなくなる」
「運ぶのが大変だ」
Aさんは肉を持ち、欲しいものは魚だ。Bさんは魚を持ち、欲しいものは野菜だ。AさんとBさんでは交換が成り立たない。野菜を持ち、肉が欲しいCさんを探すか、条件にぴったり合う別の誰かを探すしかない。
交換だけでも、これだけ大変だ。おまけに、生モノなら腐る可能性がある。人間の身体より大きなモノなんて、持ってくるだけでも大変だ。
この問題を解決するために、お金が誕生した。
肉、魚、野菜がそれぞれお金3枚で交換できたとする。先ほどの例だと、Aさんが肉をお金3枚に交換する。次に、Bさんとお金3枚で魚と交換する。これで、Aさんの目的は達成だ。別の交換相手やCさんを探す必要がない。
そして、お金は傷みにくく軽いものが選ばれた。
肉、魚は傷みやすい。当時は冷蔵庫なんてない。すぐに交換しないと、食べられなくなってしまう。けれども、お金は傷まない。お金に交換すれば、いつでも好きな時に欲しいモノと交換ができる。また、軽いので持ち運びが簡単だ。マンモスのように大きな存在ですら、手で持てる量におさまる。保管も手軽にできるようになった。これが、貯蓄の始まりである。
このように、お金は生活をより良くするために生まれた。それなのに、お金が原因で世界中で多くの人が死んでいる。そのことに、疑問を持たない人が大多数だ。こんな、おかしな話はない。
「強盗殺人が発生した」
「借金が払えなくて、自殺した」
「原油の支配権で流血の争いが起こっている」
お金が原因で、人が死ぬのは当たり前だ。
日ごろの生活で見聞きするもので、お金が命より大事だと刷り込まれている。その結果、多くの人が疑問を感じることすらできなくなっている。
私がおかしさに気づけたのは、何度も死にかけたおかげだ。死ぬ寸前に、お金があるかないかなんて欠片も関係がない。貧乏人でも生き残るし、世界的な大富豪でも死から逃れられない。人間の医療は生死を完璧にひっくり返せるほど、進んではいない。
だいたい、日本ではお金が無くてもまず死なない。収入がないなら、国の制度を利用できる。できなくても、公園で水が飲める。ゴミ箱をあされば食べ物だってある。私が、その証人だ。
お金が無くても、なんとかなる。
それなのに、
失えば戻ってこない
命よりも重く扱われている。
思いこみの怖さを、私はいつも感じている。
世の中は単純でないことも知ってはいる。日本の国自体にお金が無くなれば、公園から水道は消え去る。社会保障も存在しなくなる。日本という国自体が、消滅する可能性だってある。
私にとっても、お金は大事だ。友人のように大切に思っている。愛していると言っても間違いではない。お金があるほど選択の幅が広がりやすい、これは事実だ。日々を楽しく過ごせるのも、お金のおかげである。
けれども、今の世の中はあまりにお金が優先されすぎている。よく考えれば、お金より大事なものはこの世にたくさんある。大切な人も、時間も、健康も、お金では取り戻せない。無条件に流れる情報を信じるのではなく、それが本当に正しいのか疑問を持つ。そういう心がまえを忘れずに生きたいものだ。
当たり前、これが人生をつくっている。
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