私、そんなにひどかったの?
2020年3月28日 自宅
『真顔になりました』
そのコメントに、こちらまで真顔になった。
医師によく言われるセリフがある。
「よく動けますね」
体温が41℃や34℃になったり、脈拍が40を切りかけたり、指を1㎝動かすだけで激痛が走ったりする。そんな状態でもスタスタ歩ける。そのせいか、何も知らない人には「元気そうだね」と会うたびに言われる。毎度、苦笑いだ。それほど元気そうに見えても、体調は笑えない状態である。だから、こちらのセリフもよく言われる。
「何かあったら、救急車を呼んでください」
だが、救急車を呼ぶのは数年に一回だ。
別に体調が悪化しないわけじゃない。
もっと、切実な理由がある。
帰らなきゃいけない。
行きはいい。
だが、病院から自宅に帰るのがツライ。
もうひとつ、問題がある。
いちいち救急車を呼んでいたらキリがない。
世の中の救急車を呼ぶ基準に照らし合わせると、私は毎月3回は119番にかけなければいけない。例えばぜんそく、医師に発作が1時間止まらなかったら救急車と言われた。その基準では、ぜんそくの発作が多い月だと救急車を呼ぶ回数が20回を超える。肺に穴があく危険性は知っている。だが、そんなに何回も救急車は呼べない。帰りのタクシー代も痛すぎる。だいたい、外を歩ける服装に着替えるのもしんどい。だから、体温40℃超えや激痛で全身けいれん程度では救急車は呼ばない。我慢一択だ。
私の身体は、世の中の平均が参考にならない。驚きの報告が多数上がるTwitter上ですら、私の検査数値は異常らしい。薬の専門家に『思わず、真顔になりました』とコメントされたときはヒエッとなった。医療の専門家に絶句されるほど、私の数値はひどいのか。ちなみに医療関係者のひどいは、一般人の感想『なんで入院してないの?』と同じだ。
実は、パートナーも平均泣かせである。ペースメーカーを入れるまで、1日に何度も心臓が止まっていた。生きているのがおかしい状態で、発覚してすぐ手術だった。そんな体調だったのに平気そうに生活をしていた。似た者カップルである。
私やパートナーは特殊例だろう。
だが、こうとも言える。
平均は絶対じゃない。
万や億の桁ならば、平均と結果が一致することが多い。けれども、個人レベルだと平均と実際の結果が大きくズレる。日本の平均寿命は80歳を超えているが、母や叔父のように65歳になる前に亡くなる人もいる。逆に100歳を超える人もいる。平均はあくまで、集めたデータを分析しただけだ。結果を完全に予測できるわけじゃない。10年前の雑誌・新聞がわかりやすい。どれほど、人間の予測が当たらないかを教えてくれる。
平均は、証拠として利用されやすい。グラフになっていると、つい正しいと思いがちだ。だが、それはまやかしだ。作成者の主張の根拠になるよう、集めたデータに数式を突っこんだものだ。相手の主張を分析する材料にはなるが、それだけで正しいとは言えない。集めるデータの条件や数式をちょっと変えるだけで揺れ動く。当てにするには、あまりに弱すぎる。平均は、あくまで目安だ。
騙しのテクニック
よく使われる手法の共通点だ。
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