歩くリトマス試験紙の反応記録

『ありのままに、ゆったりと、みんなで』

【歩くリトマス試験紙の反応記録】理想は挫折がスタート

理想は挫折がスタート

 

2020年10月21日 自宅

 

理想の生活

 

見えているのが、すべてなのか?

 

 

うぅ

 

寝ているだけで半日が過ぎた。やりたいことがいくつもあるのに。読みたい本も進めたいゲームもあるのに。今日は、どうにもならなかった。気力を振り絞れば、動けなくもないが。そのあとは体調が崩れる。無理で絞り出した時間の3倍は回復に時間がかかる。意味がないどころかマイナスである。父が心臓発作で倒れて、病院や役所の手続きで走り回るとか。パートナーの心臓の手術に付き添うとか。財産トラブルに巻き込まれないため、司法書士事務所に向かうとか。イザという時のために気力は温存している。

 

もっと、体力があったらな。

 

子供の頃から幾度も思った。私にとっての理想は健康な人だ。同時に、叶わないと確定している理想である。多少の貧弱体質なら可能性があったが。私は対象外だ。おまけに成人するまでの生活が追い打ちをかけた。健康な人でも命が危なくなるような生活が10年以上も続いたのだ。生き残れただけでも運が良かった。これで、健康まで願うのは高望みが過ぎる。

 

理想は挫折した。

だが、それで終わりじゃない。

 

なぜ、健康な人になりたいのか?

 

痛みを感じない日々を過ごしたい。

楽しみたいことがたくさんある。

行きたい場所がある。

 

これは、健康じゃなくても叶えられる。身体の痛みはゼロにはできないが、薬などで軽くすることはできる。楽しむ時間が健康な人ほど多くなくても、限られた時間を充実させることはできる。旅行することはできなくても、鮮明な画質の動画を楽しむことも地元の名産品を手軽に取り寄せることはできる。

 

理想には届かない。

けれども、その一部くらいは手に入る。

 

それに、私は知っている。世の人が憧れる理想は良い面ばかりが照らされている。物事は悪いことばかりではないが、良いことばかりでもない。理想を追い求めて達成したら、理想を抱いた自分の望みとは違う現実が待っていた。こんな例はいくらでもある。

 

理想というのは挫折がセットだ。理想をみた瞬間、あるものが目に入る。理想には到底届かない現実の自分の姿だ。現状に満足できない部分があるから理想を求めるのだ。その現実を表面上は見ないフリができるが。無意識ではわかっている。この自分に目をつぶると、理想と満足できない部分が一致していなかった。そういうズレが起こったりする。何十年後に気づくなんて哀しい例も少なくない。

 

理想が叶う。

理想が叶わない。

 

個人的には、どっちでもいいと思っている。理想が叶っても不幸になる人はいる。理想の達成が不可能でも、私のようにのほほんと暮らす生き物もいる。自分の本音がわかっていれば、なんとでもやりようはある。

 

ただ、人間の本音というのは美しくない。

どこかドロッとしたものがある。

 

そんな自分を受け入れるのは、

理想を追うよりも難しいのかもしれない。

 

 

理想は

欲望とコンプレックスの塊でできている。

 

だからこそ、

表向きは美しいものとして扱うのだ。

 

危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)

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