あなたは私じゃない
2019年12月26日 自宅
「もう、スマホにさせたら?」
パートナーが前触れもなく言い出した。対象は私ではない。かんたん携帯を使っている、父のことだ。私は、2018年にスマホへ切り替え済みだ。
スマホの利用が遅すぎる?
寝たきりで外出しないのに、スマホを持つ意味がなかった。
それだけの話だ。
さて、父にスマートフォンへの変更を勧めるか、どうかだ。
私が言えば、携帯電話から切り替えるだろう。
だが、返事はノーだ。
パートナーにぶちぶち文句を言われたが、「アドレス帳も私が登録しているのですが。ローマ字を知っていても、メールを送るどころか漢字変換もできません。そんな父にスマホが使えると思っているの?」この反論で黙った。
パートナーよ。
いくら同い年でも、父とあなたは違う。
プロバイダが日本で誕生する前からインターネットを使っていた人と、DVDデッキの操作方法を娘に聞く父を一緒にしないでくれ。何度も、自分を基準に考えてはならぬと伝えているのに。69歳で最新機器を使いこなす、自分が少数派だという自覚を持ってくれ。まったく、困った人だ。
家庭、職場、ネット上など、
あらゆる場所で起こるトラブルの原因で多いのがこれである。
自分の基準で話す。
相手の基準を聴かない。
この2つでトラブルが発生する。親と子、教師と生徒、上司と部下など、指導する関係なら最悪のパターンだ。『自分ができたから、相手もできるはず』、この思いこみが不幸のもとである。なお、血縁であっても才能のありかは違う。
ちなみに私は、食事を忘れても読書は忘れない活字中毒だ。けれども、両親はほとんど本を読まない。母が本を手にしていたのは、私に絵本を読んでくれた時ぐらいだった。父は漫画がメイン、字が多いのはエロ本ぐらいである。なお、父のエロ本をはじめて発見したのは幼稚園のときだ。古新聞のすき間に挟まっていた。中身を確認後、母に報告せず、そっと元よりも奥に押し込んで隠ぺい工作をした。我ながら、親孝行な行動をしたと思う。
こんな風に、長い時間を過ごした家族であっても大きく違う。
それ以外は語るまでもない。
私は自分以外は宇宙人だと思っている。別の宇宙に、別の法則で生きている生き物だと認識している。理解できなくて当たり前、理解しあえたら奇跡という立ち位置だ。わからないのが当然だからこそ、聴くときも、話すときも力をかける。
不思議なもので、みんな宇宙人という意識が身についたらコミュニケーション能力が格段に上がった。後輩が仕事を覚える手助けで、困ったことはない。上司への報告も困らなかった。後輩と上司との板挟みには苦労したが。
なぜ、私にぐちを互いに言いに来るのだね?
後輩よ、言いすぎだ。
上司よ、それは私に言っていい話なのか。
この状況は現在でも変わらない。パートナーと父の板挟みにあう。あまりにひどいと、私が不機嫌になって二人とも小さくなる。小さくなるぐらいなら、最初から私のいないところで話してくれ。あんたら、同い年だから共通の話題が多いでしょうが。お互いに全然違うタイプというが、私からみれば似たとこだらけだぞ。本当に、困ったものである。
理解した、
理解していない人が最も使う言葉である。
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