インターネット上は1秒でアウト
2020年5月23日 自宅
微妙
次の本を読むか。
うん、こっちは面白い。
本の読み放題サービスをいつ使いだしたか。忘れてしまったが、少なくとも5年以上は過ぎている。もはや、存在しないことは考えられない。私の本専用の予算が抑えられているのは読み放題サービスのおかげである。
読み手の視点でみればありがたいサービス、だが書き手からみれば手痛いサービスである。読み放題サービスは何冊読んでも費用は変わらない。つまり、こういうことだ。
せっかく購入したのだから、最後まで読もう。
こんな甘い状況ではない。つまらない、不快だ、他の本が気になると思われてしまえば、 すぐに削除されてしまう。おまけにライバルは本の書き手だけではない。ブログ、Twitter、YouTube、DMMなど文章だけでなくイラストや曲に動画にゲームもライバルだ。クリックひとつで楽しめるものが世の中にあふれている。しかも、無料で。
1秒の奪い合い
お金じゃない。時間の奪い合いである。1秒でも退屈と思われたらアウトだ。「無料なのだから、少しぐらい我慢しろ」と語る人もいるが。そういう人は1年もかからずに消えていく。インターネットで圧倒的に供給が増えた現在、受け手に我慢する必要がない。嫌になったら、別の選択肢がある。
これまでの日本は対面が強かった。だが、状況は変わった。ほとんどの商品・サービスがインターネット上で消費者に比較される時代が来た。時間を使うことすら甘くない今、お金を使ってもらうのはもっと大変だ。
『小説家になろう』などの小説投稿サイトやTwitterやブログなどで人気になった方の本がよく売れている。「多くのファンがついているから出版不況でも売れている」という評価が多い。私はちょっと違うと思っている。この人たちは1秒の奪い合いの勝者なのだ。1秒も気を抜けないバトルを制した人たちが、購入したから最後まで読んでくれる世界に乗り込んだ。読み手に対する真剣度が大きく違う、売れないはずがない。
昔はよかった。
最近の人は我慢が足りない。
じっくり読むことができない。
嘆いても、現実は変わらない。本は借りて手書きで写すのが当たり前だった人が、活版印刷の登場で本が気軽に買えるようになった世の中に文句を言うようなものだ。どれほど文句を言っても、過去に時計の針が戻ることはない。
1秒の世界で競い合う。
それが、これからの当たり前なのだ。
時代の変化は逆らうものじゃない。
それは、大海に勝負を挑むようなものである。
海水にもみくちゃにされて、溺れてしまうだけだ。
力を抜けば、浮かぶことができるのに。
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自己紹介でもある記事
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